●2008.06.14 松蔭神社通り商店街のバリアフリー見学をしました


■2008年6月14日に世田谷区にある松蔭神社通り商店街のバリアフリー見学会をおこないました。参加者は11名、東急世田谷線松蔭神社前駅で集合し、松蔭神社通り松栄会商店街振興組合事務局長の吉田さんの案内で説明会場の世田谷区老人会館へ向かいました。
東急世田谷線松蔭神社前にて集合

商店街振興組合理事長の岡村さん、副理事長でもあり事務局長でもある吉田さん、副理事長の高橋さんによる説明の後、老人会館を出て、吉田さんの懇切丁寧な説明をしていただきながら、商店街の端から端まで見学をしました。


〜商店街のまちづくりのきっかけ〜

■このたび見学をした世田谷区松蔭神社通り松栄会商店街は、南北約500メートル道幅約6メートル、店舗数約150店の商店街です。周囲には吉田松陰ゆかりの松蔭神社、世田谷区役所を中心とした公共施設があります。
しかし従来からこの通りは世田谷通りと環状7号線の通り抜け道路で車の往来が激しく看板や商品のはみ出し、放置自転車などにより歩行者にとっても商店街にとっても悪い環境でした。
このような環境を商店街組合としてなんとかしなければという危機感がたかまり、2000年ころから「地域の歴史資源を生かすまちづくり」、「誰にもやさしいユニバーサルな環境づくり」をめざした取り組みが始まりました。
■そんな中、ショッピングプロムナード事業による取り組みへの支援のお話がありましたが、商店街の約80%の店舗がこの取り組みに賛成したものの、他の店舗はなかなか協力の意向を示しませんでした。それは、間口の幅、上階・地階店舗、後継者の有無、費用負担など各店舗の条件がそれぞれ違うからです。その後も反対している店舗の分まで費用負担をすることへの不満も高まり賛成する店舗も段々と減っていくという状況になりました。
それでも、確かにハード面での整備は費用がかかるけれどもソフト面での取り組みができるのではないかということで、やれることからやろうということになりました。
たとえば商店街ぐるみで営業終了後、高齢者や障がいのある方などに対するサポートや話しかけの仕方などの研修をしての対応や、いくつかの店舗ではその店舗の電話番号を記したポスターを入り口に貼り、すぐに対応できるようにしました。そして、このようなソフト面での取り組みが徐々に商店街全体に拡がっていきました。


〜街づくり協議会が発足し、元気でやさしいまちづくりがスタート〜

■そこで、東京都福祉のまちづくり特区モデル事業(現ユニバーサルデザイン福祉のまちづくり推進モデル事業)に応募したところ、2004年7月に選定されることになりました。選定を受けて、同年9月に世田谷区まちづくり条例に基づく街づくり協議会「元気でやさしい松蔭神社通りまちづくりの会」が発足し、具体的な事業がスタートしました。
事業目的は・・・
@誰でも歩きやすい道、入りやすい店をふやそう
A放置自転車、はみ出し看板・商品がない道路環境をつくろう
Bふれあいが生まれるやさしい商店街をつくろう
C誰もが安心して歩ける区役所周辺地区にしよう

そして事業推進のための方法として、「行政との協働」、「地域との協働」、「商店街活動」というキーワードで事業を推進してきました。

■具体的に推進するにあたり、「道路部会」、「広報部会」、「イベント部会」という三つの部会を構成して進めていきました。また、クレーム処理や意見調整のために、街づくり協議会の代表には、あえて商店街からではなく、松蔭神社の宮司になってもらったことが結果的によかったようです。

ハード面では、段差のない道路整備を実現するため、道路中心に雨水排水のための側溝を通し、V字型の断面をもつ通りにして店の入り口の段差を通りの90%解消することができました。また、滑りにくく耐久性のある舗装材や点字ブロックの選定も、実際に当事者がサンプルを体験しながら意見を取り入れたり、駅前の路面に案内表示サインを埋め込んだり、斜め踏切の改善、音声案内付サイン、AMラジオによるお店紹介などのバリアフリー対応をしました。

また、ソフト面では「元気でやさしいまちづくりルール」をつくり、看板・商品のはみ出し、放置自転車の自粛や店舗バリアフリーの推進、景観に配慮した店づくりなどの周知を図ったり、月一度の商店街ぐるみの清掃や、商店街とお客さんのふれあいのための「ふれあい おかみさんデー」によるこころのバリアフリーと商店街活性化の取り組みをしています。


〜これからの取り組み〜

■事業にあたり良かったことは、商店街周辺の方が街づくり協議会の会議にも積極的にかかわってくださったことや、道路のバリアフリー化については自己負担がなかったためか反対する店舗がなかったこと、そして道路改修工事業者の対応が、きめ細かい説明など非常に誠意があったことなどでした。

一方、これからの課題としては、店舗内のトイレのバリアフリー化、買い物客の自転車置き場の問題、自動車通行止め時間以外の安全対策など、さまざまな課題が残されているとのことでした。

■説明を受けて、まちのバリアフリー部会の戸井田さんからはトイレのバリアフリー化についてぜひ実現に向けて取り組んでいただきたいとお願いをしました。

松蔭神社通り商店街を歩いてみて、お店の人たちや全体の雰囲気がとても暖かく、キーワードである「元気でやさしいまちづくり」が確実に実現している街であることを実感した一日でした。
世田谷区老人会館にて説明をうける 90%ほどの店舗入口が道路との段差をなくしている
世田谷区老人会館にて、商店街振興組合理事長の岡村さん、副理事長でもあり事務局長でもある吉田さん、副理事長の高橋さんから詳しい説明をして頂きました。
その後、吉田さんに同行していただきながら、商店街の見学をしました。

段差のない道路整備を実現するため、道路中心に雨水排水のための側溝を通し、V字型の断面をもつ通りにして店の入り口の段差を通りの90%解消することができたそうです。
買い物客の駐輪について、中央側溝沿いに並べるという国士舘大学の学生からの提案により試してみたが、警察から非常時の安全面で問題があるとのことで取りやめになり、駐輪についてはこれからの課題となっています。



舗装財や点字ブロックの見本 道路に埋め込まれた案内表示板

道路舗装材や点字ブロックのサンプルを実際に世田谷区の公用地に敷設して当事者の意見を聞きながら選定したそうです。
現在も車進入禁止以外の時間は車の往来があるので耐久性が必要、一方、景観的な配慮も必要ということで、舗装材はアスファルトコンクリートの粗めの仕上げに目地をつけてアクセントにしています。
点字ブロックは普通30センチ角のものが普通ですが、視覚に障がいのある方にも車椅子を利用している方にも体験してもらい、幅の狭い点字ブロックを選定し敷設しています。幅の狭い点字ブロックは車椅子利用者には非常に好評だったのと、視覚障がいの方にも白杖が触れる感覚として問題ないことが確かめられたそうです。


住民参加によるサイン整備ワークショップを行い、駅前の道路に案内表示サインを埋め込んで、聴覚に障がいのある人にもわかりやすい配慮をしています。

6箇所に設置されている案内板 AMラジオによる店舗案内
エリア6箇所に案内看板を設置し、そのうち4箇所の看板は音声案内付きとなっていて、これも住民参加によるサイン整備ワークショップで検討したそうです。

視覚に障がいのある人に携帯ラジオを貸与し、「音のショッピング」というキャッチコピーのポスターが貼ってある約20店舗でAMラジオ放送によるお店紹介のサービスをしていました。


斜め踏み切りを真っ直ぐな踏み切りに改善した

世田谷線の線路と斜めにはいる道路では、以前は斜めのまま踏み切りが設置されていました。そのため車椅子やベビーカー、自転車などが線路に挟まれる危険性がありましたが、線路と直行する踏み切りに改善しています。


●2008.03.01 絵本「まあちゃん と こいぬ」ができました

 バリアフリーを考えるとき、道路や建物など施設面でのバリアを解決するだけではなく、お互いに思いやる心、お互いの立場を想像できる感性をひとりひとりがはぐくむことを大切にしたいという思いで絵本を発行することにしました。絵本「まあちゃん と こいぬ」発行にあたり、多くの皆様にご協力をいただきました。社団法人再開発コーディネーター協会による資金助成、そして障がいについてや絵本製作について専門家の方々が発行の主旨を理解してくださり、適切なアドバイスをしてくださいました。ご協力いただきました皆さまに心より深く感謝申し上げます。
 
絵本表紙 絵本


●2007.07.21 仙川の街のフィールドワークをしました 


仙川の街は平成8年から始まった区画整理事業により街の姿が大きく変りつつあります。
今回は仙川駅周辺から商店街、保育園と芸術文化施設の複合施設周辺を中心にフィールドワークをしました。
仙川の街は調布のなかでもひときわ賑やかで楽しい雰囲気の街並みができつつありますが、注意深く見ていくと様々な課題が発見することができました。
改札前の点字ブロック 改札前の点字ブロック
改札口前に点字ブロックが平行に近接しているため、接触事故の危険性がある。 点字ブロックは改札口窓口側から出入りするようになっているが、歩道からの点字ブロックが離れて敷設されている。
障がい者用駐車スペースのマーキングがなくなっていた 改札前の点字ブロック
障がい者用駐車スペースのマーキングがあった場所だが、荷降車両のためかマーキングが消されていた。 警告ブロック間の誘導ブロックが一枚だけなので、方向転換ポイントに気付かないで通り過ぎてしまう。
歩車道分離ができているところとできていないところがある 歩行者用信号が東西南北方向とも同時に青赤の切り替えとなっている
商店街の道は歩車道分離ができているところとできていないところが混在していて、危険な感じがする。 ある交差点の歩行者用信号は東西南北方向が同時に同じ色の信号になる。スクランブル状の横断歩道マークになっていないので、歩行者も運転者も戸惑うことがあるという意見があった。一方、この信号の形式が右左折時の事故解消の方法であるとして一般化している現状もある。
公共施設の入り口の車寄せ歩道に点字ブロックが敷かれていない 歩道が車道側に勾配があり車椅子利用が難しい
芸術文化施設のある複合施設入口前には点字ブロックがあるが、車寄せ前の歩道には点字ブロックが敷設されていない。 若葉町の通りの歩道は車道側に勾配があり、その勾配のまま歩道が続く。車椅子利用者にとって歩行が困難。



●2007.05.19 多摩川ウォッチングをしました

2007年5月19日(土)多摩川ウォッチングを行いました。当日は朝からあいにくの雨でしたが、集合時間を延期したおかげで雨あがりのフィールドワークになりました。
京王多摩川駅からスタートして、
多摩川土手をウォッチング。土手から川辺へのアクセスはスロープの整備などがされていて、車椅子利用者にとっても行きやすくなっていました。しかし土手付近の横断歩道など幾つかの課題が散見されました。
お昼は京王多摩川にある「カフェ大好き」で参加者全員で昼食をとりながらミーティングをおこないました。

京王相模原線下付近をウォッチング 道路から土手に入る場所には手摺がない
京王相模原線下付近をウォッチング

道路から土手に入る場所には手摺がない

横断歩道の待機スペースがないのでとても危険 昼食をとりながらミーティング

横断歩道の待機スペースがないのでとても危険

昼食をとりながらミーティング


●2006.01.28 第44回 まちのバリアフリー定例部会

メンバーからの活動報告とワークショップ開催について その2

・福岡市の市営地下鉄の視察
バリアフリー化推進功労者表彰「内閣府特命担当大臣賞」を受賞した地下鉄七隈線を視察したメンバーから報告がありました。改めて視察レポートをホームページでも紹介する予定です。

・台湾の台北市の駅施設などを視察
台北の電鉄は地下交通か高架交通かのどちらかで、聴覚障がいをもつ人にやさしい施設づくりだったなど視察したメンバーからの報告がありました。この報告もホームページにアップする予定です。

・交通バリアフリー法基本構想策定委員会関連
委員会での駅周辺まちあるきやワークショップなど検討している内容の報告がありました。


・京王線踏切について
独自で京王線周辺の踏切や沿線敷地跡利用について研究している慶応大の学生さんが定例部会に参加、研究内容のプレゼンテーションをしていただきました。

・第2回ワークショップ開催について
第2回ワークショップ「みんなで話そう調布のバリアフリー」の開催内容について話し合いをしました。「講演会ではなく、市民の参加意欲を出してもらうようなワークショップをしたほうがよい」「ワークショップはテーマを絞ったらどうか」「市で検討している交通バリアフリー法をテーマにしたらどうか」「踏切、仮設駅舎など具体的なテーマではどうか」「市民から意見を出してもらうためには予備知識を学習するための工夫も必要だと思う」「行政からの参加を促す」などの意見がありました。開催日が4/22ということで、準備を急ぐ必要があり、とりあえず内容のたたき台をつくることとしました。


●2005.12.23 第43回 まちのバリアフリー定例部会

メンバーからの活動報告とワークショップ開催について。


・交通バリアフリー法基本構想策定委員会関連
策定委員になっているメンバーから委員会の状況報告があった。これからも当部会から提言や要望など積極的に働きかけるようにする

・京王線踏切について
京王線周辺の踏切フィールドワークで課題検証をしたことを踏まえて、行政と電鉄と当部会の話し合いができるように市に働きかける。

・ワークショップ.シンポジウム.講演会などの開催
第2回ワークショップ「みんなで話そう調布のバリアフリー」の開催の日程を4月22日(土)に決定した。


●2005.11.26 第42回 まちのバリアフリー定例部会

5月におこなった踏切フィールドワークの報告書ができました。(報告:藤山三冬)

■  実施日        平成17年5月21日土曜日 晴れ    13:30〜17:00
■ 集合場所  調布駅南口広場
■ 参加者   東、新井、伊東、大久保、沖崎、川添、小林、戸井田、藤山(手話通訳さん2名)
■ 調査した踏み切り     調布市内には全部で35箇所の踏切があります。今回は調布駅周辺5箇所のフィールドワークをしました。(
2006年に柴崎駅周辺の踏切を予定しています。)
南口広場でまず参加者の紹介 調査コースと調査の方法の説明
いざ出発! 手動車椅子は総合福祉センターで借りて
現地調査後は、市民文化会館たづくり11Fみんなの広場内の市民フォーラムのスペースで、手話通訳さんもまじえて議論 調査した一つ一つの踏切での問題点や、日ごろの疑問など意見を出し合う
■ワークショップでの主な意見

1.共通の問題

踏み切りのバリアフリーについて
・健常者は踏切が長時間開かなければ、迂回することができるが歩行に障碍があるとできない。お年寄りや、障碍者ほど、踏切を渡る必要があるのに、バリアフリーの対策がされていない。
・お年寄り、子供、障害者等、ゆっくり歩ける部分と早く歩く部分に分けられるぐらいの歩行スペースにゆとりが欲しい。
・線路自体、特急が通る時など殺人マシーンと感じる。対処療法ではなく原点にかえって見直して欲しい。
・歩行部分を広く、傾斜を緩くすることができないか。
・車椅子が脱輪して危ないと感じることがある。脱輪しない工夫ができないか。
・人が歩くところは、視覚的にも目立つように。
・人(健常者とハンディキャップのある人)、自転車、車等、属性の区分をしてお互い安心して渡りやすいようにしてほしい。

(視覚障碍の場合)
・歩道が片側にしかない踏切が多いので、それが視覚障碍者にもわかるような工夫が欲しい。
・踏切が開くと、いっせいに人や自転車が動き出すのでびっくりしたり、恐い思いをすることがある。人が溜まるスペースがないことが問題。
・かんかんという音だけでは遮断機が下りるタイミングがわからず、ぶつかることがあるので、工夫が必要。

(聴覚障碍の場合)
・点滅表示が渡っている間見えない、踏み切り内に向けても表示が欲しい。
・運転中、トラックなどがあると見えない。設置場所の工夫を。
・遮断機にも点滅する警報をつけられないか。昼間でもわかりやすい色の工夫を。
・聴覚障碍は平衡感覚も悪いので、踏切を歩くのに恐いと感じる。

待ち時間について
・いつ開くのか、いつ閉まるのかがわかるサイン(何分等具体的に)が必要。特にすぐ渡り始めてすぐ警報がなりだすと、あせる。
・事故等で長く閉まっている場合は表示があるといい。
・長く閉まっている時間帯を時刻表のように表示する。
・一目でわかるアナログ表示と弱視の人などに昼間でも見えやすい色で。

マナー・ルールについて
・混雑時は踏み切りに人を配置し、人の整理や放置自転車等もどけるなどして欲しい。
・待っている人が多くなった時は、お年寄り、障碍者、バギーなど弱者をまず先にわたらせるルールに。
・内部疾患を抱える障碍者が増え、障碍について見た目だけでは判断できない。想像力や思いやりが大事。
・介護が充実し、車椅子の高齢者が街に出ることが増えたが、ヘルパーさんが車椅子の操作に慣れてない場合も多く、危険である。
・渡りきれない人をサポートする思いやり。
・踏み切りの周辺の施設との連携をとる必要がある。
・自転車が特に恐い。無灯火など、マナーの問題もある。
・踏み切りを待つ間のたばこのマナーの問題。

夜間について
・夜間、踏み切りにライトが一部しかついてないとわかりにくい。
・踏切の端がでこぼこなので、端を通る車椅子等は夜間は特に脱輪しやすい。
・無灯火の自転車がとくに危険とかんじる。

2.踏切個別の問題

調査対象踏切位置図

・記載データは平成11年踏切台帳より
・地図をクリックするとpdfファイルで見ることができます。




【調布1号踏切】


簡易勾配測定器を使って、傾斜をチェック

大きな看板が踏切わきに出ているが、誰も気づかない・・・ 点滅表示は誰にでもわかりやすく
同上 踏切待ちの人と道路を横断する人でごったがえす
バギーの赤ちゃんは、レールを渡るたびに前のめりに
レールの溝は約8cm 踏み切りの端部は舗装部分と砂利部分がある





【布田8号踏切】
北側方面をみる 南側方面をみる
非常ボタンの位置、これでよいか?

人が少ない時は車椅子もらくらく渡れるが、渡った先には・・・

歩道に自転車があふれている 周辺の店舗、鉄道事業者、行政、市民みんなの問題





【布田7号踏切】


歩道から続く白線は、人の道線を無視してひかれれるのはなぜだろう?

いっせいに皆が渡りだすと・・・・

小さな踏切でも、人、バギー、自転車、車と徐々に溜まり・・・・

端部は舗装部分がとびとびなので、健常者でも渡りにくい

両方向からいっせいに渡ると、混雑して電動車椅子は渡りにくい 踏切の遮断機部分は狭いため、つっかえる





【布田5号踏切】

布田5号踏切

踏み切りも様々な補助具を想定して、設計されるべき

他の踏み切りに比べ、段差も傾斜もきつい。

バックで、力まかせになんとか登る。手足に力がないとできない。

急勾配 前輪が手動車椅子では登れない





【布田4号踏切】

線路に対し、斜めになった踏切
勾配もきつい 半端な部分は夜などかえって危険
前輪が小さく、回転しやすい手動車椅子は レールにはまりやすく、

ひとりでは、レールの溝から脱出できない






●2005.10.29 第41回 まちのバリアフリー定例部会

これからの活動について話し合いをしました。

・バリアフリーマップについて
5年前に市で作成したマップはあまり市民に利用されていない。このマップがもっと有効に生かされるよう市に働きかける。


・交通バリアフリー法基本構想策定委員会関連
策定委員になっている当部会のメンバーから委員会の情報をとりながら、提言や要望など積極的に働きかける

・バリアフリーのまちづくり事例視察
市内外のバリアフリーのまちづくり事例を各メンバーが個別に取材するとともに、部会としても事例フィールドワークを計画する。

・ワークショップ.シンポジウム.講演会などの開催
提言書のお披露目をする場として、第2回ワークショップ「みんなで話そう調布のバリアフリー」の開催を検討する。




●2005.10.17 提言書

〜今までの活動を通して検討してきたことを提言書にまとめました〜

昨年10月12日の定例部会から約1年間、毎月1回のペースの定例部会で策定してきた提言書が完成しました。この提言書は行政に対し、市政に反映して頂きたいという思いと、そして市民に対しても「バリアフリーのまちづくり」に関心をもって頂きたいとの思いで検討を重ねてきました。
提言書pdf.ファイルはここからダウンロードしてください


「まちのバリアフリー」 提言書
ノーマライゼーションのまちづくりをめざして
2005年10月
NPO法人 調布まちづくりの会
まちのバリアフリー部会
1.はじめに
「NPO法人 調布まちづくりの会 まちのバリアフリー部会」は、2002年7月から、障がいをもつ当事者からの思いや視点を大切にしながら、障がいのある人もない人も共に活動をしてきました。 
主な活動として、京王線の調布駅や飛田給駅と駅周辺のフィールドワーク、「福祉のまちづくり条例施設整備マニュアル」をテキストにした施設や道路などのハード面の検討、歩道と車道との段差をなくす取り組みをしている江戸川区への視察、京王線調布駅周辺の踏切のフィールドワークなどといった活動や、さまざまな立場の人たちが自由に話し合える場としてのワークショップ「みんなで話そう調布のバリアフリー」を開催しました。
これらの活動を通して、あらためて調布のまちを「バリアフリーのまちづくり」という視点で見つめてみたとき、そこには難しい問題や課題があることが新たにわかってきました。私たちはこのような活動の中で話し合われてきたことや、ワークショップで出された多くの貴重な意見を整理して「提言」というかたちでまとめました。 
この提言書が市民と行政が共に考え、行政の施策に反映され、調布が誰にとっても暮らしやすいまちになっていくことを強く願っています。

2.今までの活動の経過
「調布まちづくりの会」と「まちのバリアフリー部会」について
996年、「市民の手でまちづくりを」という思いから集まった市民が、調布市の都市計画マスタープランづくりに参加しました。ワークショップやシンポジウム、まち歩きなどを行い、議論を積み重ね、1997年1月に市民と行政で「調布まちづくりの会」を発足。1998年3月に市民と市政との協働で「調布市都市計画マスタープラン原案」を作り上げました。
 この原案ができたあとも、そのまちづくりの理念であった「住み続けたい緑につつまれるまち調布」の実現に向けてまちづくりに対する関心を高め、市民参加をより進めていくために、1998年10月新たに「調布まちづくりの会」を再発足させ活動を続けてきました。
 2000年3月には特定非営利法人(NPO法人)の認証を受け、4月に「特定非営利法人調布まちづくりの会」を設立。まちの景観や統廃合される校舎跡地の有効利用、世代間の交流や地域通貨、情報のバリアフリーなど、さまざまなテーマで活動をしています。
私たちの「まちのバリアフリー部会」は、そうしたまちづくりの会の活動のひとつで、京王線の連続立体交差事業で大きく変わろうとしている調布のまちづくりを、バリアフリーやユニバーサルデザインという視点で考えながら、活動をしています。
 「まちのバリアフリー部会」としては、2002年7月から月1回のペースで定例会を開いています。また必要に応じて、今までに3回のフィールドワークを行ってきました。そして、バリアフリーという視点から、メンバー一人ひとりの個人としての日々の活動もあります。これは生活の中で、車いすや視覚に障がいがあるためにバリアを感じたことに対しての動きです。
 定例会ですが、4回目までは「なぜ、まちのバリアフリーが必要なのか」といった議論や、ちょうどそのころ完成した調和小学校の施設について検討しました。
  調和小学校に関しては、その後「シックスクール」としてもマスコミに取り上げられましたが、バリアフリーという視点からもいろいろな問題点があったように思います。
 最寄駅から学校までの案内が不十分だったり、入り口手前の信号機のある道路で、歩道の縁石が切り落とされていないため車いすで歩道に上がることができない、点字ブロックが横断歩道まで適切に誘導されていないため危険、といったことなどです。教育委員会に質問書を送り、それぞれについて回答をいただきました。

第1回フィールドワーク「まちのバリアフリーフォトウォッチング」

第1回のフィールドワークは「まちのバリアフリーフォトウォッチング」。京王線の連続立体交差事業が始まる前の調布駅と駅周辺の現状を、何がバリアになっているのかをウォッチングしながら写真に記録するというものでした。
 当日は7名の参加者で京王電鉄側の協力もあり、調布駅の南口駅前広場から駅構内、階段や改札口、ホームや売店、トイレ、券売機などのチェックを行うことができました。車いすを利用している人にとっては、階段昇降機やホームの幅など、決して安全で使いやすい駅とはいえませんでしたが、今後の駅施設の立体化に向けて京王電鉄の方々と、ともに考え活動していけるきっかけにすることができたように思います。
 このフィールドワークを振り返る中で、視覚や聴覚に障がいのある方の参加がなく、意見がうかがえなかったということが反省としてありました。写真として記録を残すというフィールドワークのあり方についても視覚障がいの人にとってはどのような意味があったのか? そうしたことをふまえて、第7回の定例会からは視覚障がいの方にも加わっていただくようになりました。今現在は聴覚障がいの方の部会への参加はありませんが、今後の課題としてさまざまな障がいだけでなく、高齢の方や赤ちゃん連れの方など幅広い方たちといっしょに活動していけたらと考えています。
さまざまな要望とその成果
 仙川駅から緑ヶ丘地区を循環する調布市のコミュニティバス東路線が昨年の4月に運行を始めました。試乗会に行き車いすで乗ってみましたが、2000年の3月から運行をスタートした調布駅南口と飛田給駅北口の間を結んでいる西路線のバスも車いすのまま乗車することができます。その「車いすのまま乗車できる」ということがわかりやすいようにバス停に車いすのマークを表示していただくよう市の交通安全対策課と小田急、京王のそれぞれに申し入れをし、現在は表示されるようになっています。
 
また、調布市役所には1階と4階に身障者用のトイレがあります。狭くて決して使い勝手がよいとはいえないのですが、利用しようとすると案内の表示がどこにもなくて「あれっ、何階にあったんだっけ」といつも迷っていました。そこで2階の正面入り口のロビーにある庁舎内の案内板とエレベーター内の各階の案内に車いすでも使えるトイレがどこにあるのか表示をしていただくように市の管財課にお願いをし、これも今は表示がされました。
 
昨年11月には東京学芸大学美術学科主催の「ユニバーサルデザイン展」に会の活動をポスター展示するという形で参加をしました。会場にはさまざまなタイプの車いす、だれにでも使いやすい食器や杖などの展示のほか、新しい点字ブロックや人にやさしいコインロッカー、音で認識できる書道など、学生の皆さんが考えたユニークなユニバーサルデザインの提案がされていました

「調布市福祉のまちづくり条例 施設整備マニュアル」をテキストにして

第8回の定例会からは「調布市福祉のまちづくり条例 施設整備マニュアル」をテキストにして具体的な施設や設備について検討をしました。
 私たちは「道路」という項目の歩道と車道の段差について議論をする中で、マニュアルの「歩車道境界部の段差を残すこととし、その段差は2pとする」という部分に注目しました。段差が2pもあると車いすで通るとかなり「ガタン」という衝撃がある、でも視覚障がい者にとってはこの段差は必要なもの。日本の各地では独自にこの段差をゼロにする取り組みがされているということを新聞記事で読み、それはどのようなものなのか関心を持ちました。そこで実際に段差ゼロの取り組みをしている江戸川区に見に行ってみようということになったのです。
第2回フィールドワーク「江戸川区の歩道と車道のゼロ段差を体験しに行こう」
 江戸川区では13年ほど前から障がい当事者の団体が区行政の各部局にさまざまな要望を伝えて改善をしていくための意見交換会を行っているほか、区の道路を管理する区土木部としても「人にやさしい道づくり」に向けたフィールドワークや職員の研修、区内の視覚障害者用誘導ブロックのチェックを行ってきました。その中で視覚障がいの人や車いすの人たち、そして行政の試行錯誤の中から生まれたのが江戸川区独自の歩道と車道の段差をゼロにするという取り組みでした。
 歩道と車道の間にスロープ状のブロックを埋め込んで段差をなくし、歩道の端に視覚障がい者用の誘導ブロックを設置するという「江戸川方式」は、それがベストとはいえない部分もありますが、障がいをもった当事者と行政が共に考え、施策を決めていくというお互いの関係と協働の姿勢は、ぜひ調布でも実現させていきたいものだと思います。


第3回フィールドワーク「飛田給駅周辺バリアフリーウォッチング」

 2001年、京王線飛田給駅は当時の東京スタジアム(現「味の素スタジアム」)のオープンに合わせて改修工事がされました。駅周辺の環境も大きく変わりましたが、地区住民は区画整理や道路、駅前広場の整備に対して「飛田給まちづくり協議会」をつくり、話し合いを重ね、行政に対して要望を行ってきました。
 歩道と車道の段差も車いすや視覚障がい、高齢の人たちなど、地域で実際に利用をする当事者と行政との話し合いの中で1pということが決められました。
 それでも実際に車いすや視覚障がいの人たちと歩いてみると、さまざまな問題点もあることがわかりました。点字誘導ブロックが適切に設置されていない、駅前広場を横切る車道と歩道との区別があいまいなため歩行者にとっては危険、といったことなど。

 計画や設計、施工の段階に市民・利用者が参加し、意見を反映させていくことは大切ですが、施設や設備ができた後の評価や検証、そしてその結果をフィードバックしていつでも改修ができるというしくみも必要なことなのだと思います。

 また、現在策定されている「社会教育計画」。今まで公民館などで行われている社会教育事業は、障がいをもっている人や外国人など、「社会的に参加の制約を受けやすい」人たちにとっては縁遠いものでした。それは事業が行われている施設に物理的なバリアがあるというだけでなく、講座やイベントなどが企画され内容が考えられる段階で障がい者や外国人の参加が想定されていなかったためです。

 市民参加で行われている計画策定の起草委員には、まちのバリアフリー部会としてではありませんが、視覚・聴覚・肢体のそれぞれの障がいをもつ当事者が参加し、「あらゆる人に開かれた社会教育」を目指して議論をしてきました。


ワークショップ「みんなで話そう 調布のバリアフリー

施設整備マニュアルを検討しながら感じたことのひとつに、施設を新しくつくろうとしたり改修をするときに、福祉のまちづくり条例の基準に適合しているというだけでは本当に利用者にとって使い勝手のよいものにはならないのではないか、ということがあります。
例えば、2005年のオープンに向けて国領で建設が進んでいるNPO市民活動支援センター「アクロス」や、西部公民館の改修工事(その後工事は中止)、また、仙川では「音楽・芝居小屋のある複合施設」を建設する計画があると聞きます。そうしたときに、実際にそこを利用する人たちの意見をどのように反映させていくかということがとても大切だと思うのです。利用者の声を聞かずに、その施設、トイレや視覚障がい者用の誘導ブロック、手すりなどを、マニュアル通りにつくればいいという姿勢のままでは、いつまでたっても本当にいいものはできません。
私たち利用する側の意見をどのようにしたら事業に反映させることができるのか。行政と本当の意味での協働のしくみ、パートナーシップを育てていくためにはどうしたらいいのか。広く市民の皆さんや行政、京王電鉄にも呼びかけて、連続立体交差後のまちの様子も思い描きながら、まちづくりについて考え、さらに関心が高まっていくことを願って、2004年5月8日、ワークショップ「みんなで話そう 調布のバリアフリー」を行いました。当日は45人の参加者があり、活発に意見が交わされました。


踏み切りのバリアフリー視察

2005年5月21日(土)には、調布駅周辺の「踏み切りのバリアフリー視察」を行いました。机上で議論するより実際に踏切の現場をみようということで、調布駅周辺の踏み切り5か所をフィールドワーク。
 西側の広い踏み切りでは片側に歩行者用の通路があるものの、人が溜まって一気に歩行すると自転車や車との接触が感じられたり、非常ベルの位置に問題がありそうなど、実際に現場に立ってバリアフリーの視点で観察するとさまざまな問題点が浮き彫りにされて、意義のある一日になりました。
今までの活動の記録
     
2002.7. 3  第1回定例会「なぜまちのバリアフリーが必要なのか」
2002.8 .7  第2回定例会「民間作業所のバリアフリー改修について」
2002.9. 4  第3回定例会「調和小学校新校舎施設について」
 ・8月29日に行われた見学会での疑問点について、市の教育委員会に質問書を提出
2002.10.2 第4回定例会「調和小学校についての質問書とその回答について」
2002.11.6 第5回定例会「ワークショップについて」 
2002.12.14 第1回フィールドワーク 「まちのバリアフリーフォトウォッチング」
2003. 1.8 第6回定例会「フィールドワークのまとめと今後の部会活動について」
2003. 2.5  第7回定例会「視覚障害のある方の立場から『まちのバリアフリー』について」
2003. 3.5  第8回定例会「調布市福祉のまちづくり条例 施設整備マニュアル」をテキストにして具体的な施設や設備について検討
2003. 4.2  第9回定例会「調布市コミュニティバス東路線試乗体験」について
・コミュニティバス西路線、東路線のバス停にわかりやすい車いすマークの表示を要望。
・市役所内に車いすでも利用できるトイレの案内表示を要望。
2003. 5.7  第10回定例会「調布市福祉のまちづくり条例 施設整備マニュアル その2」(道路 歩車道の分離)
2003.6.4  第11回定例会「調布市福祉のまちづくり条例 施設整備マニュアル その3」(道路 歩道の有効幅員)
     ※鉄道敷地利用検討会について報告
2003.7.2   第12回定例会「調布市福祉のまちづくり条例 施設整備マニュアル その4」(道路 横断歩道)
     ※6月30日に行われた「おしゃべりサロン相互塾」について
2003.8.6   第13回定例会「調布市福祉のまちづくり条例 施設整備マニュアル その5」(道路 歩道と車道との段差・一般的事項)
2003.9.3   第14回定例会 「調布市福祉のまちづくり条例 施設整備マニュアル その6」(道路 歩道と車道との段差・交差点における切り下げ)
2003.10.10 第15回定例会「調布市福祉のまちづくり条例 施設整備マニュアル その7」(道路 車乗り入れ部)
2003.11.1〜6 東京学芸大学「ユニバーサル展」に参加
2003.11. 5 第16回定例会「みんなで話そう調布のバリアフリー」企画運営について その1

2003.12. 3 第17回定例会「みんなで話そう調布のバリアフリー」企画運営について その2
2004.1. 7  第18回定例会「みんなで話そう調布のバリアフリー」企画運営について その3
2004.1.29 第2回フィールドワーク「江戸川区の歩道と車道のゼロ段差を体験しに行こう」
2004.2. 4 第19回定例会「みんなで話そう調布のバリアフリー」企画運営について その4
2004.2.20 第20回定例会「みんなで話そう調布のバリアフリー」企画運営について その5
2004.3.3 第3回フィールドワーク「飛田給駅周辺バリアフリーウォッチング」
2004.3 .3 第21回定例会
     「みんなで話そう調布のバリアフリー」企画運営について その6
2004.4.7  第22回定例会 「みんなで話そう調布のバリアフリー」企画運営について その7
2004.4.17&24 臨時部会 ワークショップに向けた準備作業
2004.5.18 ワークショップ「第1回 みんなで話そう調布のバリアフリー」開催
2004.6.2第23回定例会 ワークショップ「みんなで話そう調布のバリアフリー」をふりかえって
2004.7.7第24回定例会 これからの活動について
2004.8.4第25回定例会 仙川の音楽や芝居小屋のある複合施設についてなど
2004.9.4第26回定例会 仙川の音楽や芝居小屋のある複合施設についてなど
   ・福祉総務課に「福祉のまちづくり」を進めるための意見を提出
   ・仙川の音楽・芝居小屋のある複合施設についての質問・要望項目
 ※以降の定例会では「提言書」づくりに向けた議論
2005.5.21 フィールドワーク「踏み切りのバリアフリー視察」

3. 「第1回みんなで話そう調布のバリアフリー」 ワークショップのまとめ
(参照:「第1回みんなで話そう調布のバリアフリー」 ワークショップのまとめ)
4.提言
提言1 市民と行政との協働
「協働」って何だろう?
私たちは、「協働」という言葉を行政が行うさまざまな施策への市民参加や、まちづくりを進めていく上でのひとつのキーワードとして「市民と行政とのパートナーシップ・お互いが対等な立場で協力し合いながら同じ目的を達成していく」と理解しています。
 一方、『調布市総合計画』の「基本構想」の中では“市民が主役のまちづくり”として「構想の実現に向けて、市民と市役所がそれぞれの役割の中、時代環境の変化や地域課題に向け、ともに力を合わせ、ともにまちづくり活動をする協働のまちづくりのしくみを確立します」と述べられています。
 このような使われ方をしながらも、私たち市民にも、また行政の職員にとっても「協働」というのはどういったことなのか、具体的なイメージがつかめない、その意味や効果、範囲がよくわからない、といった声も少なくありません。

 いったい「協働」って何でしょう?

例えばこんなこと
 西部公民館の改修工事が2004年度に行われる予定で、利用者に向けた懇談会が2003年7月と9月に開かれ、まちのバリアフリー部会のメンバーも参加しました。車いすを使用している人と視覚障がいのある人が当事者として「多目的トイレ」や「出入り口のスロープ」「点字ブロック」などについての要望を伝えました。さらに懇談会の場以外でも、行政や設計事務所の方も交えて何度も実際の現場に立ち会いながら検討しました。工事を担当する営繕課の方たちは、そうした声を可能な限り設計に反映できるようしっかりと受けとめようとする姿勢で設計図面を含めた改修プランを作っていきました。

 これは協働のあり方として評価できると思います。残念なことにこの改修プランは、市の行財政改革アクションプランで見送られてしまいました。
 
しかし、改修プランを作っていくまでの過程は「市民と行政の協働」が具体的なかたちとして現れたひとつの姿だったのではないかと思います。
 
それでは「バリアフリーのまちづくり」を市民と行政が協働して実現させていくためには、どんなことが求められるのでしょうか。

何が「バリア」になっているのか?
市民がバリアフリーに関する意見を行政に伝えたいと思っても、どこへ意見を持っていけばいいのかがよくわからない、担当の窓口はどこなの? 相談の窓口があったとしてもほとんどの市民がそれを知らない、ということがあります。
 また、バリアフリーに関する課題を解決していくために、行政の組織の中でどこの部署が責任を持ってリーダーシップをとっていくのかということがはっきりとしていません。
 職員一人ひとりがしっかりと市民の声に耳を傾け、市民の投げかける課題やニーズに適切に対応することができないということもあります。

 こうしたことの一つひとつが、市民が行政と「協働」していくうえでのバリアになっているのではないでしょうか。


責任部署を明確に

行政のありかたとして各担当部署がそれぞれの分野で責任をもつことは当然ですが、バリアフリーに関しての専門的な知識やノウハウを持ち、市民にとっての必要なニーズを的確に把握して施策や事業、施設や設備などに反映させることが大切です。そこで、全体を見ることのできるまとめ役・各関係部署や機関との橋渡しをすることができるコーディネーター的な役割を持つ部署の設置や職員の配置が必要です。

 また、静岡県のユニバーサルデザイン室などの先進事例があるように、たとえば「バリアフリー課」といった窓口をつくって具体的なアイデアを受け入れる部署を配置することも考えられるのではないでしょうか。

 行政として行われるすべての施策について、その内容がバリアフリーやユニバーサルデザインの視点からみて適切なのかどうか、そのことにどこの部署が責任を持つのかということを明確にする必要があります。さまざまな事業計画の策定や施設の新設・改修そしてコミュニティバスの車両選定などには、必ずこの責任部署と担当の各部署、そして障がいをもっている人たちや高齢者などの当事者が意見交換をしながら決めていくしくみづくりが求められます。


参画のしくみづくりが必要

 施設や道路などの新設や改修が行われることを市民が知るのは、計画や設計がすでにできあがってしまってからということがほとんどです。そのために実際にその場所を利用する市民の声を反映させることができませんでした。

 企画、立案、設計、施工、そして実際に利用してみて使い勝手はどうなのかという、事前の検討から事後の評価までのそれぞれの段階に、しっかりと利用する当事者である市民が継続的に参画し、意見を反映させていくことのできるしくみづくりが必要です。
 さらにこのような市民参画の過程で得られた情報やノウハウは、その場かぎりで終わらせるのではなく、次の事業にもつなげ活かしていくことも求められます。

「交通バリアフリー法」をふまえて
調布市では現在「交通バリアフリー基本構想」を策定しています。策定にあたり、京王線の連続立体交差事業で大きく変わろうとしている調布・布田・国領駅とその周辺をはじめ、地下化で生まれる鉄道敷地をどのように利用するのか、駅前広場や道路(歩道)、トイレなど市内の各駅でも周辺のまちづくりとも考え合わせながら面的なバリアフリー整備をしていく必要があります。
また、鉄道の地下化でいくつかの踏み切りの解消がはかられますが、それでも地上線路では多くの踏み切りが残されます。全国的にも踏み切り内やその周辺での事故が起こっていますが、私たちが行った調布駅周辺の踏み切り視察によって得た問題点として、踏み切りが歩行者よりも自動車や電車の交通の利便性を優先した構造になっていることがわかりました。踏み切りでの安全とバリアフリーのあり方も含め、公共交通機関を中心としたバリアフリー整備については、利用者である市民と、行政、そして鉄道やバス事業者が協働して検討し、改善していく必要があります。

マニュアル通りでは不十分
施設のバリアフリー整備についてはひとつの基準として「福祉のまちづくり条例」の「施設整備マニュアル」があります。ただしこれはあくまでも最低限の基準で、このマニュアルに盛り込まれている内容を満たしてさえいれば、その場所を利用する人たちにとって使いやすいものになるかというと必ずしもそうとはいえません。
たとえば、歩道と車道の段差も「福祉のまちづくり条例」などでは2センチという基準がありますが、車いすの人たちと視覚障がい人たちとの話し合いのなかでできるだけ段差をなくしていこうという取り組みが各地で行われています。実際にその場所を利用する当事者の体験にもとづいた生の声をどのように反映させるのかということです。

お互いに顔の見える関係を!
私たちは行政の職員のみなさん一人ひとりとお互いに「顔の見える」関係づくりをしていきたいと考えています。そのためには市民と行政がきちんと対話・コミュニケーションができる具体的な場が必要です。そして、市民ニーズへの的確な対応ができるように、「縦割り」の組織から関係各部署が必要に応じて連携していけるような柔軟な行政組織づくりも求められるでしょう。
 行政のそれぞれの部署の職員がバリアフリーやユニバーサルデザイン、障がいをもった人たちや高齢者などへの理解と知識を深め、いつでも、すぐに適切な対応ができるようになることも大切です。そのためには教科書から学ぶ、かたちだけの職員教育や研修だけではなく、実際に当事者に接しながら、どのような問題を抱えているのかということを身近に感じることができるような取り組みも必要でしょう。
市民やNPOなどの役割
市民の中にはさまざまな意見やアイディア、技術や知識、情報を持っている一人ひとりの個人がいますが、団体やグループに所属していないとなかなか発言や活動の場が得られないということがあります。このような地域にうもれている人材を見つけ出し、活かしていくためには、啓発の場やワークショップなどの機会を増していくことが必要です。

 NPOなどの市民グループは、個人の声の重みを大切にし、さまざまな生の意見や活動をコーディネートしたり、組織化されていない個人のネットワーク化をしていく力を持っています。
 
行政はこうしたNPOをもっと活用し、施策に反映していく必要があります。そのためには、NPOなどが行うイベントやワークショップなどにも行政の職員がもっと積極的に参加するとともにNPO活動への支援が求められます。
市民も苦情を訴えるだけではなく、どうすれば問題が解決してよりよい方向に向かうのか、行政と一緒に考え取り組んでいこうとする姿勢が必要でしょう。自分たちのまちの問題を行政まかせにするのではなく、自分たちの問題としてとらえていく自覚も大切です。

協働を実現させるためのさまざまな手立て
昨年11月、調布市は「市民参加プログラム」を策定し公表しました。さらに現在、「住民自治基本条例」の制定に向けた準備と検討がなされています。また、市民が行政の方たちと直接意見を交わせる場として、たとえば市長と語る「ふれあいトーキング」などがあります。私たちはこのような市民参加や市民と行政との対話・コミュニケーションを活発にさせるためのシステムや制度を、積極的に、そして有効に活用していきたいと考えています。
 
市が設置する委員会や検討会などには必ず市民の中から公募の委員を含めるようにし、その数も今以上に増やしていく必要があります。いつどのような集まりが設けられて開かれているのかという情報を、より市民がわかりやすいように公開し、気軽に傍聴ができるような工夫も求められます。傍聴者の意見も参考にして反映させていけるしくみづくりも大切でしょう。


提言2 共生をすすめ、相互理解を深めよう
共に生きるということは?
私たちの社会は障がいのある人とない人、自分とは違う障がいを持っている人、おとしよりと子ども、文化やことばの違いのある外国人、歩行者と自転車の利用者など、様々な人たちが暮らしています。しかし人間同志の無関心と断絶により、お互いの立場を理解し合うことが困難ななかで、私たち一人ひとりが生き生きと自分らしく、そして共に生きていくためにはどうすればよいのでしょうか。
 
具体的な例でいえば、聴覚や知的、精神、内部障がいなど、外見ではわかりにくい障がいのために、なかなか問題が表面化しない人たちのことを理解するためにはどのようなことが必要なのでしょうか?


「バリアフリー」がバリアになる
 人々がまちの中で生活していくときに、だれかにとっては「バリアフリー」になることが、ほかのだれかにとってはそれが「障がい」になってしまうということがあります。

 たとえば点字誘導ブロックや歩道と車道の間にある数センチの段差。視覚に障がいのある人たちがまちの中を歩いて移動するときには安全のために必要なものですが、車いすやベビーカーでは「ガタガタン」という衝撃があって通りにくくなってしまいます。
 
また、セルフサービス方式の店舗は、聴覚に障がいがあって「言葉」を発することが難しい人たちにとっては便利ですが、障がいのために何にでも手を出してしまうお子さんを伴っての買い物は利用しにいということもあります。
参考:私たちのワークショップに障がいのあるお子さんといっしょに参加されていたお母さんから「障がいといっても実にさまざま。今日もそのことを学べました。ともすると自分の子の障がいのことのみになりがちなので、視野を広げることを大切にしたいです。お互いに。たとえは、パルコのミスタードーナツがセルフサービスになり、聴覚障がいの方が入れるようになったと聞き、そういう方もいるんだと発見がありました。でも私のように何でもつかんでしまう娘とともにには利用できなくなった人がいることも知ってほしいです」という意見がありました。

一緒に育ち、一緒に学ぶ
 まず出会うこと、お互いを知るということがなければ理解も生まれません。多様な人たちが共に生きているということを幼いころから当たり前のこととして受けとめ、どの子も同じ場で育ちあい同じ場で学びあうことのできる、そうした環境が大切です。そのような中でこそお互いのことを自分のこととして考えることのできる感性も育っていくのではないでしょうか。

「学校教育」では
 調布市の小・中学校でも総合学習の時間に、障がいや障がいをもっている人たちへの理解を深めようという取り組みがされているとききます。そのような機会にまちのバリアフリー部会のメンバーも講師として子どもたちと関わることがありますが、ともすると「子どもたちへ言葉が届かない、気持ちや考えが伝わらない」といったもどかしい思いをすることもあるようです。学校教育の場だけでは、時間的にも出会い方や関わり方という面でも限界があるのかもしれません。
 ふだん生活しているさまざまな場面で、子どもたちと障がいをもっている人たちがもっとあたりまえに出会って知り合っていくことができる場が必要です。その経験が土台となり、「学校教育」にも生かされていくのではないでしょうか。
 さらに障がいをもっている子どもたちが障がいをもっていない子どもたちと一緒に学習することが当たり前になる教育環境になることも大切で、それが実現できるように配慮された学校施設などハード面においても整備する必要があります。
もっとコミュニケーションのできる場を
点字誘導ブロックの上の放置自転車や、歩道や通路にはみ出して置かれた商品や看板など、そのことで不便をして困っている人たちがいるということに思いがいたらないために、何気なくつくられてしまう「バリア」もたくさんあります。
話し合う場、お互いのことを知り、理解するための機会が不足していることが大きな原因です。私たちまちのバリアフリー部会の活動も、お互いのコミュニケーションや出会うことのできる場のひとつだと考え、広く市民に関心をもってもらえるよう働きかけていますが、行政としてもそうした活動を支援し活用することが必要です。

だれもが楽しめる自然を
 調布には多摩川や野川といった市民に親しまれている川があります。また、深大寺周辺や神代植物公園、実篤公園など、東京にあって豊かな自然が残っていることは調布の特徴でもあり、大切な財産ともいえるでしょう。しかし、こうした自然環境がだれにとっても楽しめるように整備されているわけではありません。公園や散策路などは、障害をもった人たちや高齢者などでも安心して利用できるように配慮をした整備が必要です。
5.おわりに
私たちがバリアフリーのまちづくり活動を始めた主なきっかけは京王線連続立体化事業にともなって調布のまちが変わっていくのにあたり、バリアフリーという視点でまちづくりを考える必要性を感じたからです。そこで私たちの活動をとおして具体的な課題が浮き彫りになり、ここにいくつかの提言をさせていただきましたが、最後にこの提言書のメッセージを要約すると以下のようになります。
・市民と行政の協働のまちづくりを図ること
・人と人が共生し、相互理解を深めること
更に、このメッセージの実現のためには市民も行政もともに学ぶという姿勢が大切だと思います。私たちの会の活動が地域に開かれ、貢献できるようこれからも地道な活動を継続していきますので、行政としても私たちのこの提言を十分理解していただき、施策に反映していただくよう切に願っています。

6.資料
■資料1・・・・ワークショップ「みんなで話そう調布のバリアフリー」アンケート集計結果

こちらを参照してください

■資料2・・・・用語解説
・ノーマライゼーション
1950年代、デンマークのミッケルセンという人が提唱した。障がいのある人たちが普通に自立した生活ができるように社会環境を整備し、障がいのない人たちと同じ生活条件をつくり出すこと。また、そういうことがあたりまえであるという考え方。
・バリアフリー
Barrier(障壁)とFree(自由な、開放された)を組み合わせて造りだされた言葉で、障壁が無いというような意味で使われる。アメリカなどではあまり「バリアフリー」という言い方は少なく「アクセシブル アンド ユーザブル」という言い方が多い。一般的にバリア(障壁)とは、物理的バリア、制度的バリア、文化・情報のバリア・意識のバリアに分類されている。
・ユニバーサルデザイン
年齢・能力・体格・障がいの有無などに関係なく、だれもが使いやすいデザイン(設計)のこと。また、その考え方やプロセスのこと。この考えは1985年頃からアメリカのロン・メイスという人が中心になって推し進められ次の七つの原則を挙げている。
@公平性・・・・・・・・誰にでも使用でき、入手できること。
A自由度・・・・・・・・どんな条件にも柔軟に使えること。
B単純性・・・・・・・・使い方が明快で容易であること。
C分かり易さ・・・・必要な情報が直ぐに理解できること、不必要なものを省きシンプルで直感で分かるデザインであること

D 安全性・・・・・・・・デザインが原因の事故をなくすこと、うっかりミスや危険につながらないデザインであること。
E省体性・・・・・・・・無理な姿勢をとることなく、余計な力を使わずに少ない力でも楽に使用できること。
F空間確保・・・・・・アクセスしやすいスペースの広さと十分なサイズの大きさを確保すること。
・コミュニティバス
路線バスと乗り合いタクシーの中間的な役割をもつ小型バス。一般の路線バスが運行できない交通の不便な地域に公共交通の再生の方途を探る手段として期待されている。当然、前述のユニバーサルデザインの考えで利用されることが求められる。
・交通バリアフリー法
高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律公共交通機関の駅あるいは乗り物等をバリアフリーにすべく制定された法律。




●2005.10.01 第40回 まちのバリアフリー定例部会
●2005.09.03 第39回 まちのバリアフリー定例部会
●2005.07.30 第38回 まちのバリアフリー定例部会
●2005.07.02 第37回 まちのバリアフリー定例部会
●2005.06.12 第36回 まちのバリアフリー定例部会
●2005.05.21 第35回 まちのバリアフリー定例部会
                         +踏切視察
●2005.05.08 第34回 まちのバリアフリー定例部会
●2005.04.05 第33回 まちのバリアフリー定例部会
●2005.03.19 第32回 まちのバリアフリー定例部会
●2005.02.05 第31回 まちのバリアフリー定例部会
●2005.01.15 第30回 まちのバリアフリー定例部会
●2004.12.18 第29回 まちのバリアフリー定例部会


第29回から第40回の定例部会では提言書の内容について検討を重ねました。







●2004.11.02 第28回 まちのバリアフリー定例部会

〜「仙川の音楽や芝居小屋のある複合施設について」及び「提言書作成について」〜
10月5日に仙川の音楽や芝居小屋のある複合施設についての質問及び要望について市の職員の方たちと話し合いをもつことができました。その際に提出した文書に対し、下記の回答が届きました。

NPO法人調布まちづくりの会・まちのバリアフリー部会 様

調布市生活文化部市民参加推進室長

仙川の音楽・芝居小屋のある複合施設に関する質問及び要望について(回答)

平成16年10月5日付けで貴部会から提出のありました標記のことについ
て,下記のとおり回答いたします。

                   記

1.図面なども含めてこの施設の具体的な情報が一般の市民に把握できない状況のなかでは、きちんとした市民の声を収集できないのでは?例えば、模型を使って、設計者が説明し、市民と対話をするといった企画も必要だと思います。また、現在行われている検討委員会の位置づけや役割、まとめられた提言の実効性についても教えてください。
 
回答: 設計や計画等がまとまるなどの節目において情報の公開に努めて参ります。模型については委託業務に含まれていないため困難です。検討委員会については音楽・芝居小屋の管理運営や事業について市民参加により検討及び提言を求めるため設置したものであり,市は提言を尊重しつつ基本計画,運営計画等を策定していきます。


2.調布市福祉のまちづくり条例の施設整備マニュアルおよびハートビル法とこの施設の整備内容との関連付けはどのようになっていますか。
  
回答: 調布市福祉のまちづくり条例やハートビル法に基づき施設の整備を行います。


3.仙川駅から施設へのアクセスについて、視覚障碍のある人、聴覚障碍のある人、車椅子利用の人などへの具体的な配慮の計画(歩道などのアクセシビリティ、案内板、音声案内など)はどうなりますか。

回答: ご要望に対し,今後検討して参ります。


4.駐車場のスペースが狭いとのことですが、障碍者用駐車スペース(同標識なども含め)はどうなりますか。

回答: 施設で1台分確保する予定です。


5.施設が接する道路、敷地内ポーチ、ロビーに至る床の構造(段差、点字ブ
ロック、音声案内など)はどうなりますか。

回答: 現在,床仕上については未定ですが,段差のない構造にするとともに,アプローチから事務室までは点字ブロックを敷設する予定です。


6.施設の案内板の構造(掲示場所と大きさ、取り付け位置、触知図の形式など)はどうなりますか。
  
回答: 案内板の構造は未定です。触知図については施設の規模や配置などから設置しない予定です。


7.非常時の避難計画(特に障碍のある人、子ども、高齢者などへの配慮も含めて)はどうなりますか。
  
回答: 東側エントランス及び西側搬入口より避難する計画です。


8.1階ホールと3階集会室の利用の運営管理は区分するかしないか、区分する場合、エントランスホールからの各施設への利用者のアクセス経路はどうなりますか。
  
回答: 3階集会室については,現在仙川保育園に併設されている「仙川ふれあいの家」となる予定です。地域コミュニティ施設として地域住民による運営委員会に管理等がまかされておりますので,運営管理は区分する予定です。アクセスについてはエントランスよりエレベーターを利用して行くようになります。


9.1階ホール玄関の入り口ドアの開閉構造はどうなっていますか。(オートド
アか、オートドアの場合センサーの形式は、引き戸か開き戸か、有効開口巾は、また何箇所か、ガラスは透明かなど)
  
回答: 両引き戸の自動ドアで計画しています。有効開口幅については未定です。出入り口は3箇所です。


10.1階出演者及び関係者用の玄関廻りのアクセシビリティに関し、5.及び9.
と同じ内容についてはどうなりますか。(当然、障碍のある人が出演者、関係者となる場合があります。)
  
回答: 床仕上げについては未定ですが,段差のない構造にする予定です。また,メインのエントランス以外については手動の開き戸(親子扉)で考えております。


11.各階の一般利用者用及び出演者用のトイレ及びエレベーターの仕様や構造、内容、使い勝手についてどうなりますか。(扉、ロック、手摺、手洗い、
オストメイト、押しボタン、照明スイッチなど)
  
回答: ホール観客用トイレについてはオストメイト対応で考えています。出演者用トイレは車椅子対応で考えています。その他仕様の詳細はトイレ,エレベーターとも未定です。


12.施設内の手摺設置、誘導案内点字、点字ブロック、音声案内、磁気ループ※(磁気誘導ループともいう)などの設備仕様、構造、使い勝手はどうなりますか。
(※:耳の不自由な方が出席する集会や会議に利用できるものです。携帯用と
設置する場合と二方式があります。どちらも、 磁気誘導アンプとターンルー
プを用意します。ループアンテナ(コード状のもの)を床に配置し、ループの
中に入り、自分の補聴器のTまたはMTのスイッチを入れると、ループ用のマイクを通 した話し手の音声だけを拾って、雑音が入らずに聴くことができます。補聴器でなくても、磁気ループ用受信機があれば聞けます。)
  
回答: 手すりは可能な限り設置する予定です。ホールの磁気ループは設置を予定しています。点字ブロックについては5.と同様です。その他の設備については現在のところ設置する予定はありません。


13.各階で、一般利用者ゾーンと出演者ゾーンを隔てているドアの開閉構造はどうなりますか。(例えば、出演者控室に花束などを車椅子利用者が持って行く場合などを考慮して)
  
回答: 手動の開き戸で考えています。


14.各階出演者控室から舞台袖、可動式ステージまでのアクセシビリティ(様々な立場の人への配慮計画)と可動ステージの仕様、構造はどうなりますか。
  
回答: 楽屋からステージまではエレベーターでの移動となります。また,可動ス
テージについては現在のところ設置しない予定です。


15.ホール客席の諸設備について。床面の仕様、構造(材質は、傾斜かフラットか、)、椅子の仕様、車椅子スペース、音楽や芝居を楽しむための視覚障碍又は聴覚障碍のあるひとへの配慮計画などについてどうなっていますか。
  
回答: 床の仕様については未定です。構造的には平土間(フラット)です。椅子は備品となる予定ですが,仕様は未定です。車椅子のスペースについては興行者に対応していただくことになります。


16.ロビーとホール客席を隔てているドアの開閉構造はどうなっていますか。
また、客席に入ってから車椅子が回転移動できる通路巾やスペースはどうなっていますか。
  
回答: ドアの構造は両開き戸です。通路等については椅子が備品対応の予定ですので興行者に対応していただくことになります。


17.1階ホワイエの使われ方について。休憩用の椅子、公衆電話、自販機、チケットビューローカウンター、水飲器、コインロッカー、などありますか。あ
ればそれらの仕様、構造がユニバーサルデザインを考慮されたものでしょうか。

回答: 備品等の詳細については未定です。


18..・・・「プラン変更のため削除」


19.各階の出演者控室用のエレベーター前と一般利用者用エレベーター前のスペースは車椅子が回転移動できますか。

回答: そのようなスペースを確保する予定です。


20.・・・「プラン変更のため削除」


21.3階のホールと集会室を隔てているドアの開閉構造はどうなっています
か。

回答: 両開き戸で考えています。


22.3階集会室はどのような使われ方を想定していますか。

回答: 「仙川ふれあいの家」として使用する予定です。8.をご参照ください。


23.使われ方にもよりますが、3階集会室はいろいろな立場の人が利用する上で、各部位がその仕様、構造はユニバーサルデザインを考慮されたものでしょうか。
 
回答: 詳細についてはこれからの設計となります。


24.各階共通で保育園ゾーンとの用途上の区画はどうなっていますか。(ドア施錠か壁か、考え得るセキュリティなどをどのように考慮しているかなど。)

回答: ホール・コミュニティ施設側と保育園側はドアで常時施錠する予定です。


25.運営上のことですが、この施設は一般市民が平等に利用できることが前提であることは当然です。特定の団体や組織が優先的に利用されないような運営上のルールをきちんと作って頂きたいと思います。

回答: 運営のしくみなどは検討委員会の提言を尊重しつつ,かつ貴部会のご要望についても充分受け止めて検討して参ります。


26.オープン後のバリアフリーなどのニーズを把握し対応する体制を運営の中にぜひ盛り込んで頂きますよう切にお願いいたします。
  
回答: 25.同様に考えております。

・・・以上・・・


市から届いた回答は概ね要望に対し前向きな内容になっていました。これからは、実施設計が出来た段階で再度市と話し合う機会を設けるよう働きかける予定です。

次に、前回に引き続いて提言書について話し合いました。5月のワークショップを検証するとともに、さらにもっとバリアフリーについて活動することの意味も含めて根本的な話し合いをしました。提言書の作成の時期については今年中の予定でしたが、それには拘らずもっと話し合いを重ねてじっくり検討することとしました。



●2004.10.12 第27回 まちのバリアフリー定例部会

〜提言書作成について〜
今年5月に開催したワークショップ「みんなで話そう調布のバリアフリー」を踏まえた提言書を作成することにしました。今回の定例部会では提言書の内容について下記のたたき台を元に話し合いました。
1.はじめに
   ・会の活動とワークショップまでの経緯

2.ワークショップを行って
   ・ワークショップの内容の報告(テープおこし、写真)
   ・アンケート集計結果

3.提言 “住み続けたい緑あふれる街調布”の実現に向けて
   

提言1 市民と行政との協働

   ・行政の姿勢
   ・市民のアプローチのしかた
   ・真の協働を実現させるための制度やシステム
    ・・・ 市民参加プログラム、まちづくり条例、住民自治基本条例など

提言2 共存・相互理解

   ・障がいを持っている人と持っていない人
   ・違う障がいを持っている人
   ・外見ではわからない障がいを持っている人
   ・高齢者や小さな赤ちゃんを連れた人、妊娠中の人
   ・すべての人たち

提言3 施設、道路などの整備の際の当事者の参画

   ・企画、立案、設計、施工、実際に使ってみての検証、改修、それぞれ    の段階での参画とそのしくみづくり
   ・「交通バリアフリー法」の基本構想策定に向けて

提言4 縦割り行政をなくし横断的な担当部署をつくる

   ・たとえば「ユニバーサルデザイン課」
    ・・・熊本県、静岡県など

 資料:ワークショップのチラシ、当日配布資料


次回の定例部会も引き続き提言書について話し合うことにしました。




●2004.09.08 第26回 まちのバリアフリー定例部会

〜仙川の音楽や芝居小屋のある複合施設など〜

<「福祉のまちづくり」を進めるための意見を福祉総務課へ提出>

「8月5日付けの市報で『福祉のまちづくり(推進計画案)を進めるためのご意見をお聞かせください』という募集がありました。今までのまちのバリアフリー部会での議論や活動もふまえて、次のような意見を福祉総務課に提出しました」

----意見の内容----
施設や道路などを新しくつくったり、改修をしたりするときに、「福祉のまちづくり条例」の基準に合ってさえいれば本当に使い勝手のいいものになるかというと、そうとはいえないのではないかと思います。
 例えば「施設整備マニュアル」では「歩車道の段差は2センチ」と定められていますが、この2センチという段差、車いすやベビーカーを押している人たちにとっては「ガタン!」という衝撃があってなくしてほしいものですが、視覚に障がいのある人たちにとっては安全のために必要なもの。そこで現在各地で、当事者が参加しながらこの段差をゼロにしようという取り組みがされています。

ぜひ調布市でも、施設や道路の新設や改修の際には、その計画・立案・設計の前の段階から障がいを持っている人や高齢者も含めて実際に利用をする当事者の声を確実に反映できる場・機会を設けるようにしていただきたいのです。

また、できあがってしまった後でも、実際の使い勝手を確かめて、もし何か不具合があればすぐに改修できるようにしてください。


現在、国領では市民活動支援センター「アクロス」が来年のオープンに向けて建築が進んでいますし、仙川では「音楽と芝居のできるホール」をつくる計画があります。こうした施設ができることを私たち市民が知ったときには、もうすでに大部分の設計までできあがってしまっていることが多く、「バリアフリー対応はどうなっていますか」「設計や施工、仕様を決めるときには当事者の声を聴いて」とその都度担当の部署に求めていかなければなりません。


計画、設計、施工、使い勝手の検証と評価、改修という一連の流れのそれぞれの段階に当事者が参加をし、本当に使い勝手のよいものをつくっていける制度とシステムが必要だと感じています。条例として、あるいは庁舎内に「ユニバーサルデザイン課」といったような総合的に担当部署も横断して取り組めるセクションをつくるといったことをぜひ検討していただきたいと思います。

また、「福祉のまちづくり実態調査」の報告書を出されていますが、多くの市民がこの調査やその報告書について知らないのではないでしょうか。もったいない気がします。調査への参加を広く市民に呼びかけるなどの「市民・当事者の参加」への工夫があればもっと関心も高まるのではないかと思います。
「こうした意見や提言も、出しっぱなしにするのではなくて、その後行政にどのように反映されたのか確かめていくことも大切ですね」


<仙川の音楽・芝居小屋のある複合施設について>

「現在行われている『音楽・芝居小屋検討委員会』を傍聴しました。委員の顔ぶれは学識経験者(大学の先生)や音楽・演劇の関係者(役者さんや音楽連盟)、仙川の商店会の方、公募委員として2人(建築関係の方と芝居の裏方の仕事をされている方)など10人。障がいをもっている当事者がメンバーに含まれていないせいか、バリアフリーやユニバーサルデザインといった視点からの議論はまったくされていませんでした。
ホールでどのようなことをするのかというソフトの面でも、『調布の市民自身が活動を発表する場』というよりは、『市民に対してコンサートや演劇を提供していく場』という方向で議論が進んでいるようです。
このままでは『いったいどんなものができてしまうのだろう』とちょっと不安になって帰ってきました」

「さて仙川にできる施設に関しては、市の担当の方と話し合いができることになっています。そのときのために、現在公表されている建物の図面をもとにして質問・要望項目を以下のようにまとめてみました」


----質問・要望の内容----

 市立仙川保育園立替に伴う集会施設、ホールからなる複合施設建設に関し、だれもが利用しやすく、親しみの持てる施設が実現すべきと願う立場から、以下の質問および要望を提出させていただきます。内容をご検討のうえ、ご回答いただきますようお願い申し上げます。

1.    図面なども含めてこの施設の具体的な情報が一般の市民に把握できない状況のなかでは、きちんとした市民の声を収集できないのでは?例えば、模型を使って、設計者が説明し、市民と対話をするといった企画も必要だと思います。また、現在行われている検討委員会の位置づけや役割、まとめられた提言の実効性についても教えてください。

2.   調布市福祉のまちづくり条例、施設整備マニュアルおよびハートビル法とこの施設の整備内容との関連付けはどのようになっていますか。

3.    仙川駅から施設へのアクセスについて、視覚障碍のある人、聴覚障碍のある人、車椅子利用の人などへの具体的な配慮の計画(歩道などのアクセシビリティ、案内板、音声案内など)はどうなりますか。

4.    駐車場のスペースが狭いとのことですが、障碍者用駐車スペース(同標識なども含め)はどうなりますか。

5.    施設が接する道路、敷地内ポーチ、ロビーに至る床の構造(段差、点字ブロック、音声案内など)はどうなりますか。

6.    施設の案内板の構造(掲示場所と大きさ、取り付け位置、触知図の形式など)はどうなりますか。

7.    非常時の避難計画(特に障碍のある人、子ども、高齢者などへの配慮も含めて)はどうなりますか。

8.    1階ホールと3階集会室の利用の運営管理は区分するかしないか、区分する場合、エントランスホールからの各施設への利用者のアクセス経路はどうなりますか。

9.    1階ホール玄関の入り口ドアの開閉構造はどうなっていますか。(オートドアか、オートドアの場合センサーの形式は、引き戸か開き戸か、有効開口巾は、また何箇所か、ガラスは透明かなど)

10. 1階出演者及び関係者用の玄関廻りのアクセシビリティに関し、5.及び9.と同じ内容についてはどうなりますか。(当然、障碍のある人が出演者、関係者となる場合があります。)

11. 各階の一般利用者用及び出演者用のトイレ及びエレベーターの仕様や構造、内容、使い勝手についてどうなりますか。(扉、ロック、手摺、手洗い、オストメイト、押しボタン、照明スイッチなど)

12. 施設内の手摺設置、誘導案内点字、点字ブロック、音声案内、磁気ループ※(磁気誘導ループともいう)などの設備仕様、構造、使い勝手はどうなりますか。
 (※:耳の不自由な方が出席する集会や会議に利用できるものです。携帯用と設置する場合と二方式があります。どちらも、磁気誘導アンプとターンループを用意します。ループアンテナ(コード状のもの)を床に配置し、ループの中に入り、自分の補聴器のTまたはMTのスイッチを入れると、ループ用のマイクを通した話し手の音声だけを拾って、雑音が入らずに聴くことができます。補聴器でなくても、磁気ループ用受信機があれば聞けます。)

13. 各階で、一般利用者ゾーンと出演者ゾーンを隔てているドアの開閉構造はどうなりますか。(例えば、出演者控室に花束などを車椅子利用者が持って行く場合などを考慮して)

14. 各階出演者控室から舞台袖、可動式ステージまでのアクセシビリティ(様々な立場の人への配慮計画)と可動ステージの仕様、構造はどうなりますか。

15. ホール客席の諸設備について。床面の仕様、構造(材質は、傾斜かフラットか、)、椅子の仕様、車椅子スペース、音楽や芝居を楽しむための視覚障碍又は聴覚障碍のあるひとへの配慮計画などについてどうなっていますか。

16. ロビーとホール客席を隔てているドアの開閉構造はどうなっていますか。また、客席に入ってから車椅子が回転移動できる通路巾やスペースはどうなっていますか。

17. 1階ホワイエの使われ方について。休憩用の椅子、公衆電話、自販機、チケットビューローカウンター、水飲器、コインロッカー、などありますか。あればそれらの仕様、構造がユニバーサルデザインを考慮されたものでしょうか。

18. 1階大道具室に隣接しているトイレが(一般トイレ以外に)2箇所併設されていますが、どのような使われ方を想定していますか。

19. 各階の出演者控室用のエレベーター前と一般利用者用エレベーター前のスペースは車椅子が回転移動できますか。

20. 2階のロビーはどのような使われ方を想定していますか。休憩利用できるなら17.の内容はどうなりますか。また、2階では一般利用者はどこのトイレを利用するのでしょうか。

21. 3階のホールと集会室を隔てているドアの開閉構造はどうなっていますか。

22. 3階集会室はどのような使われ方を想定していますか。

23. 使われ方にもよりますが、3階集会室はいろいろな立場の人が利用する上で、各部位がその仕様、構造はユニバーサルデザインを考慮されたものでしょうか。

24. 各階共通で保育園ゾーンとの用途上の区画はどうなっていますか。(ドア施錠か壁か、考え得るセキュリティなどをどのように考慮しているかなど。)

25. 運営上のことですが、この施設は一般市民が平等に利用できることが前提であることは当然です。特定の団体や組織が優先的に利用されないような運営上のルールをきちんと作って頂きたいと思います。

26. オープン後のバリアフリーなどのニーズを把握し対応する体制を運営の中に盛り込んでください。

「市の担当職員の方と日程をつめてできるだけ早い時期に話し合いの場がもてるようにしましょう」


<国領の「支援センター」の視察について>

「国領に来年2月にオープンする市民活動支援センターのオープン前のバリアフリー視察ですが、市の担当者から連絡があり、10月の5、6、7日のいずれかでどうでしょうかということです。みなさんご都合は?」(・・・・・・皆さんのスケジュールをすり合わせた結果)

「それでは10月6日(水)、13:30に国領駅の北口ということで市のほうに確認を取るようにします」

<調布駅南口広場の工事について>

「京王線の連続立体交差事業に向けた工事がいよいよ始まります。調布駅の南口駅前広場での工事について都市整備部まちづくり推進課より説明がありました。
南口駅前広場は今年の9月から11月にかけて囲いが作られ、工事の基地として使用されます。その状態が約10年間続くことになるわけです。そのための花壇や噴水、高木の撤去、点字ブロックの施設が行われますが、その際、車いすや視覚障がいの方たちの通行に支障がないよう、地面に段差ができないようにすることや点字ブロックの位置や種類についての確認をしました」

<市民センター(女性会館)の建て直しについて>

「今まで階段しかなくて、とっても“バリアフル”  だった市民センターが取り壊されることになったそうです」




●2004.08.04 第25回 まちのバリアフリー定例部会

〜仙川の音楽や芝居小屋のある複合施設など〜
「前回、仙川の音楽や芝居小屋のある複合施設の件と、国領に来年2月にオープンする市民活動支援センターの件について話題になりました。後者の件で、市の担当職員のお話では庁内で検討したところ、オープン前のバリアフリー視察の参加者は、とりあえず1月中旬頃からバリアフリーについて話し合った方達に参加していただくということでした。時期についてはまた連絡があることになっています。」

「仙川の施設についての状況はどうでしょう。」

「市の担当職員の方のお話では8月中旬に建築施工会社が決まる予定で8月末頃に市の担当職員の方との話し合いができる予定で、質問や要望はなるべく箇条書きにして頂きたいとのことでした。 」

「それでは8月末以前までに質問や要望を箇条書きにまとめましょう。」

「その他の連絡です。7月初旬に交通バリアフリー法の学習会に参加してきました。主催は「バスから地域交通を考える会」で講師は国土交通省の交通バリアフリー対策室係長の方で2005年改正にむけて基本構想の現状についての学習会でした。新宿区の基本構想の取り組みのお話が中心でした。また次回は8月31日18:30から飯田橋の東京ボランティア・市民活動センターで開催予定ですので参加できる方はどうぞ。 それから、7月29日に三田の福祉会館で「交通行動実行委員会」主催で、同会が全国の民間鉄道会社で組織されている社団法人日本民営鉄道協会(略、民鉄)への15項目にわたる公開質問に対する民鉄の公開回答がおこなわれました。興味深いのは、職員のサービス介助者資格取得に力をいれている話などいろいろ参考になりました。」

バスから地域交通を考える会
http://bus-kara.hp.infoseek.co.jp/index.html

東京ボランティア・市民活動センター
http://www.tvac.or.jp/

交通行動実行委員会

http://www.kotukodo.com/

日本民営鉄道協会

http://www.mintetsu.or.jp/




●2004.07.07 第24回 まちのバリアフリー定例部会

〜これからの活動について〜
「5月に行われたイベントのまとめ作業が終了し、ホームページにも掲載いたしております。これからは行政への提言をどのようにするかを話し合いたいと思います。」

「提言にむけての検討も当然必要なのですが、いま直面している部会として対応すべき状況についていくつかお話したいと思いますがよろしいですか。」

「はい、どうぞお話ください。」

「7月の市報にも掲載されていましたが、仙川にある市立保育園の建て替えに合わせて音楽や芝居小屋のある複合施設を調布市が計画しています。そこで、市民参加推進室の担当職員の方と話し合い、当部会がコーディネーター役になってなるべく多数の方の参加により、施設設計についてバリアフリーなどの視点で意見交換をする場を設けることになっています。」

「ソフト面では、この施設が地域住民だけでなく広く市民に活用されることの必要性や、だれでも利用しやすい運営のありかたなど。ハード面では交通機関から施設までのアクセシビリティーのこと、入り口、ホール、トイレ、客席、ステージなどバリアフリーに対応しているかなど、話し合うポイントは多いと思います。」

「次に、国領北口で来年2月にオープンする市民活動支援センターの件ですが、担当職員の方との話し合いで、しかるべき時期に施設のバリアフリーを体験できることになりました。これも同様、当部会がコーディネーター役になり、具体的にどのように対応したらよいか検討しなければなりません。」

「また、京王線連続立体化事業に伴う京王線敷地跡利用について検討している検討委員会では、昨年から今年度にかけて市民参加で話し合っており、私もその委員の一人です。検討委員会での意見集約がなかなかできず、私もいろいろ思案している状況です。そこで、当部会のメンバーの方からの意見も頂きたいと思っていますので宜しくお願いします。」

「さしあたり直面している検討事項が出されました。必要に応じて臨時的なミーティングもありえますね。」

「今日は時間になってしまいました。当面は、随時、メールなどで連絡をとって対応したいと思います。」



●2004.06.02 第23回 まちのバリアフリー定例部会

〜5月開催のイベントをふりかえって〜
アンケートの集計により、価値のあるイベントであったことが確認され、まとめの報告を市民に公開し、その報告書を提言という形にして行政に働きかけることとした。



●2004.05.08 「第1回 みんなで話そう調布のバリアフリー」開催


5月8日(土)14:00〜17:00、調布市文化会館たづくり12階大会議場にて、約45名の参加者による調布のバリアフリーについて話し合うワークショップを開催した。



●2004.04.17&24 臨時部会


5月開催のイベン最終作業

・配布資料の印刷
・準備の最終確認



●2004.04.07 第22回 まちのバリアフリー定例部会

〜「みんなで話そう調布のバリアフリー」企画運営について その7〜


5月開催のイベントの準備確認

・部会活動紹介内容の確認
・配布資料の内容確認
・受付の準備作業確認
・展示資料の確認
・広報についての確認
・ワークショップの進め方の確認
・プログラム構成の確認


以上、各担当者の準備確認をした。

●2004.03.03 第21回 まちのバリアフリー定例部会

〜「みんなで話そう調布のバリアフリー」企画運営について その6〜

「今日は飛田給駅周辺のフィールドワークに参加いただきましてお疲れ様でした。」

「さて前回、大まかな5月のイベントにむけての役割分担を決めましたが再度確認をします。」

「作業分担表とチラシのたたき台を作成してきました。」

「作業分担についてはこの表に基づいて準備をしていきましょう。」

「チラシの内容についてはこの方向でよいと思います。」

「それから保育室を準備する予定ですが、保育士さんの依頼、他に手話通訳の依頼、ワークショップ用の駅周辺地図の触知図作成依頼などあらかじめ準備しなければならないことは早めにやりましょう。」

「これからは、定例部会のほかに必要であれば随時会合をして準備の対応をしていきましょう。」


●2004.02.20 第20回 まちのバリアフリー定例部会

〜「みんなで話そう調布のバリアフリー」企画運営について その5〜

「さて、5月のイベントにむけて、役割分担などを決めたい思います。」

【事前準備】

@広報市報のほかに、調布FM、調布CATV、新聞などの交渉・・・愛沢

A月間ぱれっとへの掲載依頼・・・沖崎

Bチラシやポスターのたたき台原稿・・・沖崎

Cチラシや当日の配布資料などの点字版の作成依頼・・・愛沢

D保育室予約・・・沖崎

Eボランティア保育士、ボランティア手話交渉・・・愛沢

Fワークショップ用触知図作成依頼打合せ・・・愛沢・沖崎

【当日分担】

@総合司会・・・愛沢

A開会挨拶・・・戸井田

B部会活動紹介・・・新井

Cワークショップのファシリテーター・・・まち会メンバー

D閉会挨拶・・・小林

E諸作業・・・東・沖崎・ほか


「以上、大まかな役割分担がきまりましたが、みなさんで協力しあいながら準備をしていきましょう。それから、皆さんが日頃気がついている街の状況を写真に撮っておいてください。当日の資料として展示したいと思います。」

「次回は3/3(水)13:30から飛田給駅周辺視察、調布駅周辺視察、同日16:00からたづくり11階みんなの広場で定例部会です。」


●2004.02.04 第19回 まちのバリアフリー定例部会

〜「(仮)みんなで話そう調布のバリアフリー」企画運営について その4〜

「1月29日に行われた江戸川区バリアフリー視察、どうもお疲れ様でした。視察報告を東さんにまとめて頂いて、ホームページにアップすることにします。 さて、前回の定例部会にひきつづいて5月開催のイベントの具体的な内容について話し合いをしましょう。」

「テーマ名について前回はいろいろ貴重な意見がでましたが、『みんなで話そう調布のバリアフリー』というのが素直でイベントの趣旨にも合っていると思います。」

「そうですね。継続的なイベントとしたいことから、『第1回みんなで話そう調布のバリアフリー』としましょう。」

「広報も大切なことです。4/20、5/5発行の市報に載せられるよう準備しましょう。チラシ、ポスターの原稿も考えなければいけませんね。」

「イベントの内容としては、できるだけ参加していただいた市民の意見を引き出すためには、シンポジウム形式ではなく、テーブルに分かれてのワークショップ形式のほうが相応しいと思います。」

「賛成です。いろんな立場の人が数人同じテーブルで意見交換をすることは有意義だと思います。」

「テーブルのグループ分けの方法は?」

「参加して頂く皆さんがお住まいになっている地域周辺のことが一番実感できるし、日頃気がついていらっしゃることを意見に出しやすいと思います。従って、地域別にテーブル分けをしたらどうでしょう。」

「そうですね。テーブルにその地域の地図を拡げて、話し合うようにしましょう。」

「各テーブルでの話し合い後、その話し合いの内容を各テーブルごとに発表し、フリーディスカッションのようなこともやりたいです。」

「それでは今日はこの辺で終わりますが、5月に向けて打合せの回数を増やして月に2度程度のペースで話し合いをしましょう。次回の定例部会は、2月20日(金)午後6:00から、たづくり11階みんなの広場とします。」

「それから、飛田給北口の歩車道段差ほかの視察の予定ですが、3月の定例部会の日におこなってはどうでしょう。」

「やりましょう。参加できるかたは飛田給駅改札口に午後1時30分に集合してください。その後、調布駅周辺の視察をして、午後4時から、たづくり11階みんなの広場で定例部会を始めます。」


●2004.01.07 第18回 まちのバリアフリー定例部会

〜「(仮)みんなで話そう調布のバリアフリー」企画運営について その3〜

第18回定例部会
第18回定例部会たづくり みんなの広場

「前回、5月8日予定のシンポジウム&ワークショップに先立って、事例視察をすることにいたしました。そこで江戸川区の歩車道0cmの事例視察の日程が決まりました。1月29日午後1時45分に都営新宿線の瑞江駅改札口集合スタートで江戸川区職員の方が同行案内して下さることになりました。ぜひ、皆さんのご参加をお願いします。」

「5月のシンポジウム&ワークショップの参考材料とする前提での視察ですから、そのつもりでカメラや聞き取りメモなどの準備をしていきましょう。」

「シンポジウム&ワークショップの準備のことですが、検討しなければならないことがたくさんあります。5月といっても結構短いと思います。まず、開催のテーマを決めなければなりません。仮に「みんなで話そう調布のバリアフリー」という案が挙がっていますが、具体的にどのような内容の企画にするかも含めて、決めましょう。」

「私の社会参加のひとつとして、車椅子を利用しての散歩と考えています。散歩をとおして感じるのは、もちろんバリアフリーについてのこともありますが、緑豊かで陽だまりのある道がもっとあればいいなぁとか、散歩するのに適当な場所にベンチがあればだれにとってもいいのになぁとか、感じることがしばしばです。つまり、まちづくりはバリアフリーという枠だけでなく、もっとひろい意味でのまちづくりのありかたを考える催しにしたいと思います。ですから「みんなで話そう調布のまち」というように敢えてバリアフリーという言葉を入れないのはどうでしょう。」

「それもひとつの考え方ですね。ただ、この部会はバリアフリー、ユニバーサルデザインという視点で考えるというのがポイントになっています。例えば、副題にバリアフリー、ユニバーサルデザインという言葉をいれてはどうでしょうか。」

「そうですね。次回2月の定例部会までに、皆さん考えてきてください。次回はテーマと企画の内容と準備のことなどを話し合いましょう。」

「それから、事例視察のことですが、江戸川の次は市内の飛田給駅周辺の事例視察を予定しています。」





●2003.12.03 第17回 まちのバリアフリー定例部会

〜「(仮)みんなで話そう調布のバリアフリー」企画運営について その2〜

「シンポジウム&ワークショップの会場予約ができましたのでお知らせします。会場は調布市文化会館たづくり12階大会議場、日時は2004年5月8日(土)で午後1時から午後9時30分です。」

「5月ですがいろいろと事前の準備のことを考えると、意外と大変だと思いますが、協力していきましょう。」

「前回、事前にまちあるきワークショップのようなことをして、その成果をシンポジウム&ワークショップの参考資料にするという意見がありましたが、よい意見だと思います。」

「これもなるべく早い段階でやらなければなりませんね。どこをどのようにやるか決めましょう。」

「アクセシビリティのことで話題性のある他市と調布市内の事例視察をしたらどうでしょう。」

「最近、江戸川区の歩車道0センチのことが話題になっているで、ここを見に行きたいですね。その後、市内の飛田給駅広場の歩車道1センチの事例を視察しましょう。」

「それでは、私が江戸川区役所へ連絡して視察をしたい旨を伝えて、ご協力いただけるか確認をとってみます。」

「次回は引き続き事例視察と(仮)みんなで話そう調布のバリアフリーの企画運営について話し合います。」



●2003.11.05 第16回 まちのバリアフリー定例部会

〜「(仮)みんなで話そう調布のバリアフリー」企画運営について その1〜

「来春、市民や行政、企業に広く呼び掛けて、私たちのまちのバリアフリーやユニバーサルデザインについて話し合う場をシンポジウム又はワークショップ形式で開催します。どのような内容にするか皆さんで話し合いたいと思います」

「1997年9月に調布市都市計画マスタープラン策定のなか、アメリカからいらしたリチャード・スカッフ氏と川内美彦氏による「バリアフリーなまちづくり講演会」が開催されて以来の企画として位置づけたい。」

「京王線連続立体交差事業を視野にいれた内容にしたい。」

「バリアフリーについて見識のある人を講師に迎えて講演会を開くことを考えてはどうか。調布のまちを客観的にみてどのように捉えるか講演してもらうことも意義があると思う。」

「市内で最近、車椅子を利用している人が自動車事故にあう事件が多発している。調布のまちはいろいろな問題が山積しています。私たちのまちの現況について参加者が話し合う時間を充分とり、実のある催しにしたい。」

「どのような内容にするか、そのやり方についていくつか挙げてみると、基調講演・シンポジウム・(参加者がいろんな意見を言えるような工夫をした)ワークショップ・事例紹介をプロジェクターなどで紹介・当部会の活動や他市の団体の活動のポスター展示、などがあると思いますが、それらの組み合わせを考えてはどうでしょう。」

「事前にまちあるきワークショップのようなことをして、その成果を参考資料にするのもよいと思います。」

「次回も企画運営について更に具体的に話し合うことにしましょう。」


●2003.10.10 第15回 まちのバリアフリー定例部会

〜調布市福祉のまちづくり条例 施設整備マニュアル その7〜

「今日は施設整備マニュアルの最後の検証となります。その前になにかありますか?」

「私は車いすを利用しています。私の住まいの近辺である布田南通りは歩道がせまく、ある曲がり角では車道側に急な勾配になっていてとても危険です。また、選挙の投票所にもなっている下布田ふれあいの家は段差解消のスロープがなく投票に行くことができません。このように私の近辺だけでもいたるところにアクセシビリティが悪い箇所がたくさんあります。まちのバリアフリー部会では、もっと行政に対して発言するようにしていくことが大切だと思います。」

「以前、行政では調布ふくしマップをつくる会に委託して、調布ふくしマップ’99ふらっとをつくりましたが、もう4年経っていますので更新版が必要な時期にきています。できれば更新版をつくりたいですね。」

「助成制度を利用して、電子版のものをつくって常に更新できるようにして、ホームページ上で発信したいですね。」

「さて、施設整備マニュアルの“(9)車乗り入れ部”の項にはいります。ここでは車道から車が敷地や細い道に乗り入れるために歩道を切り下げる際の整備基準が書かれています。」

「基準のポイントは、可能な限り平坦性を保つことと、やむなく勾配を設ける場合はその勾配を8%以下にすることと書いてありますね。」

「最初の意見にもありましたが、調布は歩道の狭い場所が多く、切り下げのためにできた勾配がきつく、危険な場所が多いのが現状です。」

「ここでは歩道の舗装材の整備基準のことが書かれています。」

「基準の要点は、凹凸のない平坦な構造であること、雨で濡れた路面でも滑りにくい舗装材とすること、排水性を高め水溜りのない構造にすることと書いています。」

「私の経験ですが、歩道に設けてある視覚障害者誘導用ブロックにつまずいたり、滑りそうになることがあります。視覚障害者誘導用ブロックの材質と施工の良し悪し次第では危険を誘発しかねません。」

「次に“(11)案内表示”の項に移ります。この案内表示というのはたとえば交通案内板、観光案内板、地図案内板といったものですが、歩道に設置される場合の整備基準が書かれています。」

「基準のポイントは、歩行者の妨げにならないこと、わかりやすい表記にすること、表示板の高さは車椅子利用者や小児が見やすいように歩道面から1.3メートルを標準とし、歩道の有効幅員が確保できなければ、表示板の下端を歩道面から2.5メートルの高さに設置することとあります。」

「さらに、音声による誘導が可能な箇所には、音声誘導装置を設置したり、点字や手すりによる誘導も検討することが望ましいとあります。」

「車椅子を利用している立場から、現状では案内板の設置については高すぎる場合が結構多いですね。」

「視覚障碍の立場では、特にはじめて行く場所では案内板にぶつかりそうになったりすることがよくあります。しかし、成城学園前の調布方面行きの北口バス停では、バスの運行状態を音声でしらせる装置が設置されていて、視覚障碍のあるひとに限らず、あらゆるひとにとってもありがたい心遣いで、まさにユニバーサルデザインだと思いました。」


「さて次に最後になりますが“(12)視覚障害者誘導用ブロック”の項に移ります。

さきほど視覚障害者誘導用ブロックについてのお話もでていましたが、整備基準の要点は、種類は線状ブロックと点状ブロックがあること、線状ブロックは誘導方向を案内するためにあり、点状ブロックは危険箇所や曲がり角などの注意を喚起するためのものであること、しかるべき箇所にしかるべき種類の視覚障害者誘導用ブロックを敷設すること、線状と点状の区別ができない形状のものは使用しないこと、材質としては強度、滑りにくさ、歩行性、耐久性、耐磨耗性に優れたものでり、退色、輝度の低下が少ないものであること、ブロックと路面の輝度比が1.5〜2.5程度、また新たな工法や材料の開発の際には試験施工の実施と十分な検討を要する。とあります。」

「さらに、音声誘導との併設を積極的に推進することも必要であることも書かれています。」

「先ほども申しましたが、つまづきそうなブロックはゴム製のブロック面が路面からほんの少し上がっている状態のものが多いです。」

「調布の文化会館の1階ホールに敷設してあるステンレス製の点状ブロックは車椅子利用者にとって不快な振動を強いられるし、視覚障碍のあるひとにとってもつまずきやすくなっています。」

「あれは単純に管理者にとってメンテナンスしやすいという理由だけで選定されたブロックで、とてもユニバーサルデザインとはかけはなれています。」

「さて、これで調布市福祉のまちづくり条例 施設整備マニュアルの検証は終わります。次回からはもっと行動的な活動に入りたいと思います。前回にもお話しましたが、市民や行政にひろく呼び掛けてまちのバリアフリーについてのシンポジウムを来年にむけて企画したいと思います。」

「それから、調布のまちのバリアウォッチングとかバリアマップづくりなどもやって、市民や行政に投げかけていきたいと思います。」




●2003.09.03 第14回 まちのバリアフリー定例部会

〜調布市福祉のまちづくり条例 施設整備マニュアル その6〜

「今日は先月に引き続き道路についての項目をやりますが、その前になにかありますか?」

「以前、施設整備マニュアルの『道路』のところで、ベンチの座面の高さが低くて高齢者や障害を持っている人にとって立ち上がりにくいことがある、という話がありました。マニュアルの『公園緑地』の項のベンチのページにある整備基準には<高齢者、障害者の利用しやすい構造のベンチをてきぎもうけること>として標準の高さが55pの【レストバー式】のベンチの例が載っています。市の都市整備部に、飛田給駅北口広場や仙川駅前の道路などにあるベンチの写真を持って行き確かめたところ、このベンチだということでした。腰の痛いときや立ち話など気軽なおしゃべりのときなどにも、ちょっと腰かけられていいのではないでしょうか」
「飛田給駅北口にタクシー乗り場がありますが、乗り口のところの歩道の切り下げをしてもらうように、市の道路課に要望しました」
「調布市のコミュニティバス、西路線と東路線がありますが、すべて車いす対応のバスなので、『バス停に車いすマークの表示を』という要望を市の交通安全対策課にずっとしてきました。表示はされたのですが、『もっと見えやすい場所に』ということをもう一度要望して、やっと表示の位置が変わりました」
「8月26日、調布市市民ボランティア活動センター主催の総合教育の研修会が、たづくりの『みんなの広場』で行われました。その中で、柏野小学校の活動報告がショックでした。子どもたちが車いすに乗ってみるという体験学習で、学校から外へ出てみようとしたときに、段差や歩道の幅が狭いために、車いすでは「出られない。一歩も動けない」という現実に子どもたちは愕然としたというんですね。駅周辺から離れた場所では、まだまだ車いすで通ることさえできない場所があるということ。そして、出られないということは車いすの人が学校に入れないということですから、教育のあり方を考えていく上でも、これからの大きな課題なのかなぁと思います」
「旧大町小学校をどのようにしたら有効利用できるのかという調査を調布まちづくりの会でしましたが、まずエレベーターがないので2階に行けない。それは単純に建物の問題だけでなく、障害を持った子どもと持たない子どもは分けた場でという教育の根本的な考え方の問題なのでしょう」
「東京学芸大の研究室でユニバーサルデザインに関する展示会があり、まちバリ部会からもパネル展示をしてみないかという話がきています。視覚障害者にとって、ビジュアルな展示をどうユニバーサルデザインにするのかということも、逆説的でおもしろいテーマのひとつなのではないかと思います」
「前回、『施設整備マニュアル』の整備基準としては歩道と車道との段差について、段差は2センチ、すりつけ勾配は8%、1/12以下とする(1メートル20センチの間に10センチ下げる)となっていましたが、飛田給の駅周辺は歩車道の段差が1センチということでした。車いすではとても楽に通ることができますが、視覚障害の方は実際に歩いてみてどうでしたか?」
「大丈夫でした。白状も引っかかりましたし、違和感なく歩けました」
「自治体によってさまざまな工夫をしているようですが、道路自体の整備とともに、車いすのタイヤの性能をアップさせたり、段差自体がクッション性のあるものにするというのはどうでしょうか(笑)」
「点字ブロックにもいろいろあります。ゴムのものは引っかかってしまいそうですが、雨の日はすべらなくていいんですね。よかれあしかれです。介助の人と一緒なのか、白杖を使って単独歩行をしているのか、どれだけその道に慣れているのか、そうしたことによっても歩道と車道との境を認識するための段差の必要性がずいぶん違ってくると思います」
「自分の目的地までのアクセスについてどれだけ習熟しているかということですね」
「調布市文化会館たづくりの点字ブロックは評判悪いですねぇ。金属製で滑りやすいし、彫りが深くてつまずいてしまいそうです。高齢者にとっても危ないのではないでしょうか」
「今度、歩道と車道の段差をできるだけゼロにしていこうという取り組みをしている、江戸川区に行ってみましょう!」
「まちのバリアフリーを考えていく上では、不備を指摘して改めていくということと共に、整備が行き届いているものについては、行政をほめるということも有効なのではないかと思います」
「国際福祉機器展が10月15日(水)〜17日(金)に東京ビッグサイトで行われます。参考になるものがあるのではないでしょうか」


「それでは今回は施設整備マニュアルの『歩道と車道との段差(交差点における切下げ)』についてです」
 基本的な考え方として

高齢者、障害者等歩行者のだれもが、自由に移動できる歩行空間を連続的に確保するとともに、通行動線上にある段差についても歩行のしやすさや安全性を考慮する。
 整備基準としては
 交差点部の横断歩道に向けての切下げは、自動車に対する歩行者の安全、路面の排水などを考慮のうえ、高齢者、障害者等が円滑に通行できるような構造とすること。
「歩道の幅によって、切下げの構造は変わってくるようですが、狭い歩道では勾配が急になりがちです。歩行者にとって、特に車いすや赤ちゃんのバギーにとっては車道側にタイヤが取られてしまって危ない場所もありますね」
「次に『歩道と車道との段差(細街路と交差する場合)です』」
基本的な考え方はとして「交差点における切下げ」と同じです。
整備基準としては
交通量の少ない細街路などと交差する場合は、本線の歩行者の安全性、利便性及び連続性を考慮し、平たんとなるような構造とすること。
「ちょっとわかりにくいかもしれませんね。問題は歩車道の段差の2センチとすりつけ勾配の8%、1/12以下という基準が本当にいいのかどうかということです。都市の中ではスペースも限られているのでなかなか難しい問題だとは思いますが、まちづくりの全体の枠組みの中で問題意識を持って考えていくことが大切だと思います。
さて今回はこのくらいにして、今後の予定として、このマニュアルの読み合わせは次回で終了にいたします。今後の予定として広く市民や行政を交えた形でのシンポジウムを開きたいと考えていますが、そのための企画の打ち合わせなどをする予定です。」

●2003.08.06 第13回 まちのバリアフリー定例部会

〜調布市福祉のまちづくり条例 施設整備マニュアル その5〜

「私が参加予定及び最近参加したシンポジウムやセミナーのお知らせと報告をします。まずお知らせですが、これから参加の予定として、私たち障碍者の今年で16年目の『誰もが使える交通機関を求める全国行動』で、その中の15年度『民鉄各社(8鉄道事業者)交渉』があります。交渉内容の要望事項は視覚、聴覚、知的、精神、高齢者、乳母車のお母さん方、さまざまな交通弱者対象のもので、当事者参加の意見は説得力があるので、参加してもらえたらと思います。
8/14(木)には15年度『バス各社(13社)交渉』があり、日程は決まっていませんが、『JR東日本交渉』『国土交通省』もあります。
次に報告ですが、世田谷福祉のまちづくり研究会主催の『世田谷のやさしいまちづくりの展開』、荒川区にある都立保健科学大学で行われた『ユニバーサルな視点から交通バリアフリーを考える』、そして荒川区で障害者の自立生活をサポートするさまざまな活動を行っているあふネットの『コミュニティバス 誰もが乗りやすいユニバーサルデザインを!』に参加しました。どれもみな、交通バリアフリー法ができてからのまちづくりや交通環境について考える内容のものでした。
法律が整っても、私たちが本当に気持ちよく生活するためにはどのようなしくみや形が必要なのか、もう一度見直す必要があるのではないかと思いました。
たとえば交通バリアフリー法ができ、ノンステップバスがだんだん普及するようになって、車いすでもバスに乗れることが多くなりました。でも車内の車いすスペースにある座席(跳ね上げ式で折りたたむ)に高齢の方が座っていると立っていただかないといけない、そうした心理的な負担をいつも感じていないといけません。」
「このような場合、視覚障害の立場からどうですか?」
「そうですね、バスや電車に乗るとき、両側に人が座っていて間に一人分のスペースが空いているというような場合、そこにうまく座るというのは私たちにとってはとても難しいのです。だからそういうときは座らないようにしています。そして、ガイドヘルパーの方にもあらかじめそのことを伝えるようにしています。
席をゆずっていただくこともあるのですが、体力的にはそんなにつらくはないので。」
「駅やいろいろな施設も車いすのまま利用できるところが増えてはきましたが、利用できるルートや場所が限られていて、いっしょの人と離れて行動しなければならなかったりします。」
「なるほど。バリアフリーも量から質へ、ということでしょうか。」
「それでは今日は『施設整備マニュアル』の“歩道と車道との段差”の項についてです。

整備基準には

@歩行者の通行動線上の段差は最小限とし、すりつけることにより段差の解消を図ること。
Aすりつけこう配は、8%(約12分の1)以下とし、こう配の方向は、歩行者の通行動線の方向と一致させること。
段差は、車いす使用者の利便と視覚障害者の安全な通行との双方を考慮し、歩車道境界部の段差を残すこととし、その段差は2cmとする。歩車道境界部の段差については、視覚障害者にとって、省略することはできない。
とあります。この2cmという段差は実際にはどうですか?」
「車いすだと、2cmあるとかなり『ガタン』という衝撃があると思いますねぇ。」
「私の住んでいる飛田給で駅の改修工事をするときには、市や京王電鉄、高齢の方や視覚障害の方、車いすを利用している私など、地域の住民との話し合いの中で、周辺の歩道と車道の段差については、なくすことを要望しましたが、東京都や調布市の福祉のまちづくり条例、整備マニュアルでは2cmということもあって、結局1cmにしようということになりました。実際にできてみてとてもスムーズに利用できます。」
「白杖を使っている視覚障害者にとっては、段差はあったほうがいいと思います。一人で歩いているか、ガイドヘルパーの方と一緒なのかにもよりますが、杖の先か゛『コツン』と当たる感触で歩道と車道の境を確かめているので。飛田給の1cmというのは、実際に確かめていないのですが・・・。」
「歩道と車道の段差をゼロにして、白杖で境目を認識できるように細めの溝をとるなどの方法はどうでしょう。」
「その場合、溝に白杖が挟まったり、ゴミが溜まったり別の問題がでてきますね。」
「江戸川区ではできるだけ歩道と車道の段差をゼロにしようという取り組みをしているようです。視覚障害者の団体や車いすを利用する人たちとも話し合い、2cmの段差は確保しながら、斜めに勾配をつけたブロックを敷くことで実質的に段差をなくし、誘導ブロックも一緒につけるということです。」
「歩道と車道の段差に限らず、施設を作ったり整備したりするときには、車いすの人や視覚障害の方、高齢の方など、そこを実際に利用をするさまざまな人たちが話し合いの中でどういう形のものがいちばんいいのか決めていくことが大切なのではないでしょうか。」
「では今日はこの辺で終わりににします。」



●2003.07.02 第12回 まちのバリアフリー定例部会

〜調布市福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルその4〜

「最初に調布まちづくりの会の<おしゃべりサロン相互塾>で6/30に開催したテーマは京王線の連続立体交差事業について京王電鉄の方がお話するという内容でした。
 参加された方は49名ということで、調布市における連続立体交差事業に対する関心の高さを示すものでした。
参加者からの意見や質問は、駅舎や駅周辺のハードバリアに関することが多かったように思います。」

「私たち利用する側の意見など、どのようにしたら事業に反映することができるかが大きなポイントだと思いました。」

「今年は、広く市民、行政、京王電鉄に呼びかけて、地下化に伴うまちづくりについて考えるシンポジウムを企画して更に関心を高めたり、行政や京王電鉄の皆さんに提言などしたいと思います。」

「それでは本題に入りたいと思います。先月は、調布市福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルの<道路>の[歩車道の分離]と[歩道の有効幅員]について考察しました。今月は[横断歩道]からです。」

「誘導基準の信号機の項目では

*視覚障碍者の利用が多く、音響による誘導が可能な箇所には、音響式信号機を設置する。
ア 音響式信号機の音量、時間帯については、交通量や周辺の環境を考慮して設定する。
*横断歩行者の利便を図るため、待ち時間表示装置を併設する。
ア 待ち時間併設装置は横断歩行者の利用状況を考慮して設定する。
 

とあります。」

「調布市内には音響式信号機はどんな場所にありますか?」

「綜合福祉センターとたづくり、アメリカンファミリーの交差点にあります。当初なかなかうまく利用できなくて、何度か利用しているうちに音響式信号機の操作に慣れてきました。例えば延長ボタンの操作の仕方など、当初は全く分かりませんでした。」

定例部会の様子
7月定例部会


「視覚障碍者の方などに、設置者からその操作方法などの説明会などあるのでしょうか?」

「設置してから大分経ちますが、設置時にはまったくありませんでした。でも、近々、<生活支援事業>の一環で障碍のあるひとが、自力で街に出ていけるように都市施設の利用についての講習会があります。」

「自立支援のための都市施設はこれから色々な形でで設置されるとは思いますが、設置したらそれでいいということではないわけで、利用の仕方などを、障碍のあるひとや高齢の方だけでなく、もっと広くあらゆる人に知ってもらうことが大切ですね。」

「行政から広報するだけでなく、市民のほうも無関心にならず、積極的に情報を知るということがもっと大切なように思います。」

「次に[立体横断施設]について考えましょう。立体横断施設というのは、歩道橋のことです。
整備基準の解説では

@立体横断施設整備にあたっての配慮事項
⇒立体横断施設の整備にあたっては、「立体横断施設技術基準・同解説」に基づき実施するものとするが、次のことについて、特に配慮すること。
ア 立体横断施設を利用する歩行者の安全を確保するとともに、高齢者、障碍者等が利用しやすい構造とする。
イ 階段部直前には、視覚障碍者誘導ブロックを設置する。
ウ 誘導用の手摺を連続して設ける。
エ 手摺は、原則として二段式とする。
オ 手摺の端部及び要所には、視覚障碍者が現在位置を判断できるように  点字表示をする。
カ 手摺の形状その他については、滑りにくいものとする。
キ 階段部その他の舗装については、滑りにくいものとする。
!階段の勾配は50%を標準とし、斜路及び斜路付階段の勾配はそれぞれ 12%、25%を超えてはならない。


とあります。
実際に立体横断施設を利用してみてこのような配慮がなされている場所はありますか。」

「三鷹の東八道路新川交差点にある立体横断施設を体験しました。この交差点はいくつかの道路が複雑に交差していて、視覚障碍のある人にとって方向判断が困難なポイントになっています。」

「そうすると、マニュアルにあるように立体横断施設の手摺に点字表示があると、方向を判断するのに助かるのでしょうね。」

「確かに判断の助けになることもあるのですが、点字表示は一方向に表示されているため、階段の上りの人と下りの人のどちらかにとっては逆方向表示になるので、必ずしもよい配慮とはいえません。やはり音声による配慮が一番使い勝手がよいと思います。」

「そうですね、なんでも設置してあればよいという考えはむしろ税金の無駄使いとなりかねませんね。」

「つぎに[ベンチ等]について考えます。ここでは歩道に休憩や交流のための空間づくりの方法としてベンチの設置について書かれています。」

「いつも感じていることがあります。それはベンチの座面の高さなんですが、座面が低いほうが座り心地が良いということなのか、病院や公園などの椅子やベンチは低い座面のものが多いと思います。しかし、高齢者や身体に障碍のある人は椅子やベンチから立ち上がるのが辛いということが以外に多くあり、逆に身体に負担がかかるものです。設置者は一方的な判断ではなく多方面からの意見を採りいれる姿勢が大切です。」

「なるほど。こういった施設整備は、利用者の生きた経験に基づいた意見を反映できる制度が必要ですね。
それでは時間になりましたので、あとは来月の定例部会で話し合いましょう。」


●2003.06.04 第11回 まちのバリアフリー定例部会

〜第2回鉄道敷地利用検討会報告及び
調布市福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルその3〜

「調布市街づくり推進課担当の鉄道敷地利用検討会は、私も委員のひとりとして関わっていますので、簡単に6月3日開催の第2回検討会の報告をします。今回の検討会では、この検討会がどのような位置付けで、検討結果がどのような形で京王線連続立体化事業に反映できるかが話し合いの中心になりました。
 行政窓口担当の方の説明では、<地下化後の鉄道跡敷地の利用のあり方を市民の意見を反映すべくこの検討会で意見を集約し、方向性を出し、事業体に提言をする>という目的で検討会を開催しているとのことでした。たとえばトイレやベンチをどこにどのように設置するかというような具体的なことを話し合うことが目的ではないようです。
 私が一番大切だと思って関わっていきたいことは、<市民や当事者の声を計画や実際の設計にきちんと反映させていきたい>ということですが、立体化事業での基本設計、実施設計といった事業計画の設計過程で、どのタイミングで市や事業者にアプローチしていけばいいのか、また、いつ、どのようなかたちで声を伝えれば効果的なのかがポイントになるのではないかと思いました。そのためにも行政や事業体の事業計画推移の予定時期に関する積極的な情報公開が必要だと思いました
 また、今回の検討会で、検討会の回数が少ないので十分な話し合いができないという理由で、検討会を効率的に進める方法として、メーリングリストでの意見交換や幹事会を作って話し合いの内容を充実させたらどうかというような意見がでました。
 でもこのような方法の進め方は公開性という原則が保てない可能性があるように思いました。特にメーリングリストという情報交換手法は公開性という点ではその性格上、限界があります。
 検討会は傍聴できることになっていますが、その本来の意義は、話し合いのプロセスを市民に公開し、情報を広く共有することにあります。効率的に進めることは反対ではありませんが、もし公開性が機能できない手法で進めるとしたら本末転倒の検討会ということになりかねません。検討会の回数が少ないとすれば、単純に回数を増やせばよいことも考えられます。次回はこのような意見を述べたいと思います。」

「ありがとうございました。市民と行政が協働して、有効に利用できることを検討する会なのだから、その話し合いの過程を公開することは大切ですね。」

「それでは、第10回定例部会に引き続いて調布市福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルの<道路>について記載内容をみていきたいと思います。 」

「前回は道路についての[基本的な考え方]についてみていきました。キーワードとしては<安全性・快適性の確保><連続性の確保>(第10回定例部会報告参照)ということがありました。」

「今日は、[歩車道の分離]からになります。整備基準では
歩道と車道とは分離し、歩行者の安全を確保すること
とあります。」

「解説の中に歩車道分離の方法として、
1.マウントアップ方式歩道を車道より一段高くする>
   ・安全性は高いが、段差を伴う
   ・自動車交通量の多い幹線道路に適している
   ・防護柵、植樹帯を併用することにより、さらに安全性が高まる
2.フラット方式<歩道と車道を同一平面とする>
   ・平坦性は保てるが、路面排水に配慮が必要である
   ・自動車交通量の少ない道路に適している 

と記載されています。」

「さらに歩道を分離するものとして
・縁石 ・防護柵 ・植樹帯 ・縁石+防護柵 ・縁石+植樹帯
が記載されています。交通法など色々規制があるかもしれませんが、彫刻を置く、ベンチを置くというような街の景観を考慮した手法もありうると思います。」

「皮肉にも、歩車道を分離するものとして、不法駐車の自動車や放置自転車群がありますね。当然、それらは狭い歩道に限らず、あらゆる人にとって歩行の邪魔になり、危険でもあるのですが。」

「次に、[歩道の有効幅員]についてみていきます。整備基準では
歩道の有効幅員は、2メートル以上とし、歩行者が安心して通行できる歩行空間を連続的に確保すること。
とあります。」

「解説では車いす同士がすれ違えるようにとありますが、調布市内では車いす同士がすれ違える道は殆どありません。それどころか通行するのに命がけの歩道のほうが多いように思います。」

「解説にもありますが、標識柱、街灯柱、電柱、先程の放置自転車、又歩道の凹凸舗装、さらに歩行者の歩きたばこなどのモラルの問題など、歩道には様々なハードとソフトの障壁があります。」

「視覚障害者誘導ブロックの歩道敷設についてですが、たまに歩道の真ん中にあることがあります。歩道が狭いこともあるのでしょうが、すれ違い歩行を考慮して片側寄りにするほうが安全性が確保できます。」

「今日は時間になりましたのでこの辺で終わりにします。」



●2003.05.07 第10回 まちのバリアフリー定例部会

〜調布市福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルその2〜

「さて、第8回目の定例部会にひきつづき、調布市福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルの<道路>の記載について内容をみていきたいと思います。 」

(*調布市福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルは調布市都市整備部開発調整課の窓口で配布されています。)

基本的考え方
〜(略)〜
すべての市民に安全で使いやすい歩行空間としての道路の機能を提供することが重要な課題であり、これを実践することが福祉のまちづくりとしての道路整備である。
〜(略)〜

そのためには、次のような課題の解決が大切である。 

ア. 道路を利用する人と道路を整備する側との役割のルール化 
イ. それぞれの施設と、それに接続する道路との協力関係の確立 
ウ. 交通機関と道路との連続性の確立 
エ. ハンディキャップをもつ人々の利用という視点から見た道路整備手法の検討、研究
〜(略)〜


「福祉のまちづくり条例だからこのような書き方をしているのかもしれませんが、課題エ.のハンディキャップをもつ人々の利用という視点という考えは非常に狭いです。利用しやすい道路というのは高齢者や障碍のある人のためだけにあるのでは無いはずだからです。この表現自体がバリアではないでしょうか。」


さらに整備をすすめていく視点として

(1)安全性・快適性の確保
 〜(略)〜
@高齢者、障碍者等を含むすべての人の歩行、車いすによる移動を基本的な交通手段として位置づけ、安全性、快適性を確保できるよう道路、歩道の整備に努める。
 
「ここではすべての人のと書かれていますね。」

A道路の整備方針については、これまでの整備方針を福祉の視点から見直し、歩車道の分離、路面の平坦性、有効幅員の確保などについて利用上の配慮を行う。


(2)連続性の確保

@歩行者空間の連続性を確保し、ネットワークとして整備すること。
〜(略)〜
ネットワークは、高齢者、障碍者等の行動範囲を考慮し、既存の整備状況などを考えたうえで、地区内の国道、都道、市道管理者などと協議のうえ策定する必要がある。

「確かに道路の行政担当窓口が国、都道府県、市区町村と縦割りになっていて円滑なまちづくり行政が進展しません。、ここに書かれてあるように各窓口のネットワーク、連携がほんとうに必要です。

「この文言が条例のなかだけで終わることがないように実現してもらいたいです。そのためにも積極的な行政の情報公開が必要です。」

「国、都道府県、市区町村の道路管理者などと協議のうえ、とありますが、利用者が設計の段階から協議に参加していかなければならないことを強く言いたいです。」

「例えば、調布市文化会館たづくり前の交差点に、音響式信号機が4ポイントに設置してありますが、東西方向の音響式信号機の音量が小さく、よく聞こえません。設計の段階もそうですが、設置後も、私たち利用者の意見が反映できるようにしていただきたいです。」

A幹線となる道路の整備
〜(略)〜
高齢者、障碍者等が利用するうえで、幹線となる道路を設定し、その道路から重点的に整備する。ネットワークを構成する幹線となる道路は、次の観点から選ぶものとする。

ア. 高齢者、障碍者等によく利用される施設と駅、バス停留所などを最も短く結ぶ道路
イ. 道路に沿って公共施設、商店などがあり、その利用価値が高い道路
ウ. 既存の道路のうち、少しの改良により、さらに安全性が高まる道路
エ. 災害避難道路


Bその他の道路の整備
幹線となる道路以外の道路であっても、常に高齢者、障碍者等に配慮した整備や維持補修を行い、ネットワークとして完成するよう整備することが必要である。


「このへんで今回は終わりにしたいと思います。次回もこの調布市福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルの道路の記載について話し合います。」


●2003.04.02 第9回 まちのバリアフリー定例部会

〜調布市東路線コミュニティバス試乗体験について〜

「今日は予定を変えて、3月31日に調布市東区域でコミュニティバスの試乗会がありましたので、試乗会に行った方に体験報告をお願いします。」

「はいわかりました。 最近、目や耳にすることが多くなったコミュニティバスですが、高齢者や障害をもった人たちなど、さまざまな住民のニーズにあった地域の交通手段で、道路の幅が狭く、採算性も悪いというような理由で今まではバスを走らせることが難しかった場所でも、車両を小型のものにしたり、財政的に自治体が助成をして運行するバスサービスのことです。

仙川駅前停留所
調布市東路線コミュニティバス(仙川駅前停留所

多摩地域では今年になって、1月20日に東村山市では(愛称)グリーンバス、2月1日東大和市では(愛称)ちょこバス、3月1日小金井市では(愛称)CoCoバスと次々に運行を始めています。インターネットで検索すると1万件に近いヒットがあるように、全国各地でその取り組みが広がってきています。調布市では、調布駅南口と飛田給駅北口の間を2000年3月から走り始めた西路線に加えて、今年の4月1日から仙川駅と緑ヶ丘地域の間を循環する東路線が運行をスタートしました。
私たちは3月31日の試乗会へ、始発の仙川駅から車いすで乗ってみました。

車椅子で乗ったあと簡易スロープを床下に収納
乗車後、簡易スロープを床下に収納

車両は三菱自動車のエアロミディ、小型CNG車(幅2m、圧縮天然ガスを燃料としている車で、低公害で環境にやさしいとのこと)で定員は34人。低床・ノンステップ、後ろの出入り口に折りたたみ式の簡易スロープ(デクパック、京王線をはじめ、鉄道の駅でホームと車両の隙間と段差解消のために使われている渡り板、バスで使っているのは初めて見ました)が収納してあり、それを使って車いすのまま乗り降りすることができます。車内には跳ね上げ式の座席があり、そこが車いすスペース(1台分)になっています。

簡易スロープ
床下収納スペースから簡易スロープを出して車椅子で下車


乗ってみて、まず、窓が広いなぁーと感じました。満員に近かった車内はやや狭いかな、という気がしましたが、車いすからでも外の景色を見渡すことができて、とても気持ちがよかったです。白百合女子大や緑ヶ丘の団地や住宅地を通り抜け、25分ほどで仙川駅に戻ってくるまでの間、揺れも少なく快適でした。
ただ、道路の幅が狭く、バス停も歩道のないところが多いため、スロープを出して車いすで乗り降りをするには工夫も必要かなと思いました。
後日、運行事業者の小田急バスへ<道幅が狭い停留所が多いですが、車いすの人が乗降するときはどのようにするのか、運転手さんに話してあるのでしょうか>と電話で問い合わせました。<車いすの人がいるのがわかれば、対向車があれば待ってもらい右側に停めるようにしています>とのことで、乗降するスペースをとるということでした。
そして、バス停で気がついたことですが、<車いすのまま乗降できる>という表示がどこにもありません。この路線に限ったことではないのですが、バスの車両にはフロント上部の行き先表示の横と、出入り口の横に『車いすとスロープのマーク(資料参照)』がついています。調布のコミュニティバスの西路線と東路線のバスは、どの車両も車いすのまま乗降できるのですから、バス停に車いすマークがあれば、そこに車いすマークのついたバスが停まっていなくても、いつでも多くの人に車いすのまま乗車できるバスだということがわかります。

バス停留所に車椅子対応マークがない
バス停留所に車いすマークの表示がほしい

まだまだバスへ乗車したことのある車いす使用者は少ないこと、そのご家族の方や一般市民のみなさんにも車いすのまま乗車できるということを、より知っていただくためにも、ぜひバス停に車いすマークを表示してほしいと思います。
早速このことは、市の交通安全対策課に申し入れをしました。まず課内で検討していただいてから事業者に伝え、何かしらのお返事をいただけるということです。運行主体の小田急バスと「西路線」の京王バスにも、それぞれのホームページからメールで要望を伝えました。
また、跳ね上げ式の車いすスペースは、他のお客さんが先に座っているとその方に立っていただかないとならないので、特にその方が高齢の方だったりすると、<申し訳ないなぁ>という心理的な負担を感じてしまうことがあります。少なくとも始発の停留所では、他の乗客が乗り込む前にドライバーがまず座席を跳ね上げてスペースを確保し、車いすの乗客を優先して乗車させるといったソフト面での対応も必要だと思います。
利用者の身近で日常的な<足>として定着していくためには、どんどん利用していくことが必要です。そして、何か不都合なことやこうしてほしい、ああしてほしいという要望があれば、運行している側にきちんと伝えていくことが大切だと思います。市民・利用者と自治体、そして事業者が一緒になって育てていく、それがコミュニティバスなのですから。そのためには例えば、バスのニックネームを広く市民に公募するといったことも必要だと思うのですが、今のところ市としてはそういった予定はないということです。ボディにゲゲゲの鬼太郎が描かれているので、そのうち鬼太郎バスなどと呼ばれるようになるのかもしれませんが……。ぜひ一度、みなさんも鬼太郎バス(?)に乗ってみてください」

≪資料≫
運賃200円均一(こども100円、身障者割引半額・介護人1人まで半額)、共通バスカード、シルバーパス利用可
運行主体小田急バス(株)ttp://www.odakyubus.co.jp/
運行経路仙川駅〜緑ヶ丘循環〜仙川駅
@仙川駅→A仙川→B白百合女子大学入口→C緑橋→D白百合女子大学→E緑ヶ丘団地北→F第三仲よし広場→G児童館・福祉センター入口→Hみどりきた児童遊園→I北野四丁目→J柳川公園→Kみんなの森入口→L市民テニスコート入口→M柳川橋→仙川駅
運行時間(始発〜終発) : 6:30〜21:44
停留所14箇所
運行回数日:36回


『車いすとスロープのマーク』
 車いすとスロープのマーク


『一般の車いすマーク』
一般の車いすマーク


「報告どうもありがとうございます。車椅子を利用している本人からのアドバイスは行政も事業者もまた一般市民にも参考になったと思います。」

「コミュニティバスだけでなく、一般の公共交通のありかたについて積極的な意見がでてくるべきだと思います。」





●2003.03.05 第8回 まちのバリアフリー定例部会

〜調布市福祉のまちづくり条例施設マニュアルその1〜

「福祉のまちづくり条例について話し合う前に、朝日新聞2月7日付の記事についてお話をしたいと思います。
 
 交差点での車道と歩道の段差2センチは車椅子利用者にとっては高すぎるし、視覚障碍のある方にとっては境目を認識する段差だということで、ユニバーサルデザインを考える上で常に問題になるテーマです。朝日新聞の記事は、熊谷市がその問題を解決するアイデアを考え、市内に2箇所実現したという内容でした。
 そのアイデアというのは、車椅子の両車輪の段差通行部分にそれぞれ幅25センチのスロープを設けるというもので、識者のコメントとして、将来的には全国標準にもなりうるとありました。」

「私の知人の車椅子利用の方が、その記事を読んで、当の記事にある識者に感想を送ったと連絡がありました。参考になると思いますので簡単に彼の感想を紹介しますと・・・
 《面白い発想ですが、車椅子利用者は縁石に対し直行しなければ利用できないことと、そのスロープの位置でしか車椅子が通過できない。従ってユニバーサルデザインの考え方からは程遠いと思います。むしろ兵庫県立まちづくり工学研究所が、多くの障碍のある人の声を取り入れて研究した成果http://www.assistech.hwc.or.jp/AT_tushin/ATT34.pdfが優れていると思います。》・・・・・という感想でした。一度このホームページにアクセスしてみてください。」



「それでは調布市福祉のまちづくり条例について話し合いたいと思います。検討したいことは、調布市福祉のまちづくり条例の施設整備マニュアルの内容についてです。このマニュアルは調布市都市整備部開発調整課の窓口で配布されています。」

「そのマニュアルの概要を教えてください。」

「施設の規模、種類に応じて、調布市福祉のまちづくり条例に定められた<整備基準に適合させていただくもの>と<整備基準に適合するように努めていただくもの>が設定されていて、施設としては大別すると、1.一般都市施設、2.特定施設、3.集合住宅、4.特定集合住宅となっています。詳細は、まずマニュアルを入手して読みましょう。」

「まちのバリアフリー部会の活動の目的の中心は、京王線が地下化になることに伴うまちづくりをバリアフリー、ユニバーサルデザインという視点から話し合いやワークショップを通して提言していくことにあります。ですから、この目的に相応しい施設についての項目を検討したいですね。」

「そうですね。施設としては、道路、公共施設あたりから検討しましょう。今日の冒頭の話で車道と歩道の段差が話題になりましたが、次回は道路について、施設マニュアルを検討しましょう。」

●2003.02.05 第7回 まちのバリアフリー定例部会

〜視覚障碍のある方の立場から〜

福祉のまちづくり条例について話し合う予定でしたが今回は、12月に行われたワークショップではお話をうかがうことができなかった視覚障碍の方も交え、まちづくりを考え、実践していく上でどんなことが大切なのか改めて話し合いました。
当日は、調布まちづくりの会のメンバーの知人で、宮崎県に住む車いす使用者の方も参加しての話し合いでした。

「視覚障碍者の視点からまちづくりを考えたときに気がつくことはどんなことですか?」

「[見えない]ということについて、例えば車いすの人や、視覚に障碍があって白杖を持っている人は見た目で「障碍」があるということがわかるけれども、聴覚障碍の人は見ただけではわからないので大変だという人がいますが、そういった比較の仕方は間違っていると思います。

 私の場合は準盲(“じゅんもう”全盲に準ずるという意味のようです。ちなみにウールマークではありません)といって、例えばこれくらい(手のひらを顔のすぐ前まで持ってきて)でやっと見えるんです(この方の視野は正面の範囲程度、“見える”というのは、モノの明暗程度)。目の前に人がいても、その後ろの壁が同じような色だとわからなかったり。全盲の人の感性を持っていないんですね。同じ立場に近寄ろうとする気持ちはあっても、同じ感性を共有するのは難しい。だから「視覚障碍者の視点でまちづくりを」といったときに、私の視点や気持ちが視覚障碍者を代表しているといえるのかなぁ?という思いがあります。」
「前回のワークショップ[まちのバリアフリーフォトウォッチング]
については?」
「写真で記録するということについて、「見えない」私たちはどうすればいいのかな? という戸惑いがありました。
車いすの人たちにとっては、まちづくりの中で(チェックするポイントとして)段差やエレベーターなど、電動車いすの人でも手動車いすの人でも共通の基本ラインがあると思います。

でも、視覚障碍者の中では、全盲や弱視など、人によってものの見方や感性が違います。まちの中を歩くときにポイントにしているもの、頼っているものが十人十色なんです。点字ブロックを頼って歩くことができる人とできない人がいる。そうした一人一人違う部分を、どのようにまちづくりの中に反映していけばいいのかということが難しいと思います。」
宮崎県に住む車いす使用者の方にも話を聞きました。
「障碍がいちばん重度の人を基準にしてまちづくりを考えれば、車いすの人たちだけではなく、すべての人たちにとって使いやすいものになるのではないでしょうか?」
「視覚障碍者の場合は、全盲の人を前提にして考えていく必要があるのではないでしょうか。」
「調布の駅周辺で具体的に気になっているところはありますか?」
「まず、やっぱり歩道は広いほうがいいです。京王線の八王子寄りの踏切から市役所への道や、東急ストア前の放置自転車は気になります。品物が出ていることもあったりして点字ブロックがほとんど使えない。点字ブロックの位置としては歩道の車道側、ガードレールにぶつからない程度の場所、できれば植え込みはないほうがいいですね。」
「それからたづくりと総合福祉センターの間の交差点の信号は、ぜひ音声式にしてほしいです。押しボタン式のところもありますが、押しボタンがあるということを知っていないと使えません。」
「調布駅は将来的に地下化になることが決まっていますが、工事の間は暫定的に高架になります。そのときにもエレベーターなどしっかりチェックしていく必要があると思います。飛田給は、駅周辺の歩道の段差や植え込みの種類、車いすでも使える公衆トイレの設置などが、地域の住民の議論の中で決まっていきました。変わってからではなく、これから変わるというときに、きちんと当事者の声を反映させていくことが大切だと思います。」
「駅の施設でいえば、エレベーターはスケルトンにしてほしいです。中に人がいるかどうかがわらないので、真っ暗なエレベーターの中に入るのは抵抗があるからです。車いす用の操作盤を使うとドアの開閉の時間が延長されるようですが、視覚障碍者にとってもそれは便利です。」
「電車の車両とホームの隙間はできるだけなくしてほしいですね。」
「江戸川区では、車いすを利用する人たちと視覚障碍の人たちの話し合いの中で、歩道と車道の段差をゼロにしていこうという取り組みがされています。それがどうなのか、例えば飛田給駅周辺は、「福祉のまちづくり条例」や「調布のまちづくり条例」が2センチのところを住民(車いす使用者や歩行困難者、高齢者)の要望で1センチになったので、ワークショップなどをして、それらを参考に検討していけたらと思っています。段差一つにしても、カタチになってしまってからでは直すのは大変なことです。」

「調布の「京王線連続立体交差事業」にともない駅周辺のまちづくりで、バリアフリーやユニバーサルデザインという視覚障碍者の視点から、いっしょに考えていただけることになりました。その中には、調布市役所前の道も交通バリアフリー法にともない整備されることもあります。」
「これからもさまざまな障碍や年齢、乳母車の赤ちゃんづれの方など、いろいな人たちの視点に立ったまちづくりを考えていければと思います。」

●2003.01.08 第6回 まちのバリアフリー定例部会

〜ワークショップ「まちのバリアフリーフォトウォッチング」
のまとめとこれからの部会活動について〜


「12/14のワークショップ、どうもお疲れ様でした。今回のワークショップのまとめといいますか、参加しての感想を皆さんでお話し合いをしたいと思います。」


「予定のチェックポイント全部をウォッチングすることはできませんでしたが、私にとっては意義深いワークショップでした。」


「そうですね、公衆トイレ、駅構内の階段、ホーム、売店、駅トイレ、改札口、券売機など、ふだん何気なく利用している施設や設備をバリアフリーという見方で体験できてとても良かったです。」


「例えば公衆トイレででた意見で、車椅子利用者が内側から施錠するとき、錠の位置が高く、錠の形状が手で撮みにくいといった意見がでていましたが、これらの施設や設備を設計段階から利用者の視点、意見を取り入れる必要性を強く感じました。」


「それから、階段昇降機についてですが、これはもちろん暫定的設備として備わっている昇降機ですが、改めて観察すると階段の脇に仕方なくあるといった印象ですね。」


「今回のワークショップに、視覚障害の方や聴覚障害の方の参加がなかったのは残念でしたが、これからの予定として視覚障害の方や聴覚障害の方また高齢者の方などからのご意見を聞く機会を持ちたいと思います。」


「京王電鉄の皆さんが非常に協力的で印象がとても良かったです。」


「そうですね、地下化になる駅舎計画、また工事中の暫定的駅構内計画にもバリアフリーに対する積極的な対応を感じることができました。」


「さて、これからの部会活動についてですが、ひとつ提案があります。調布市には福祉のまちづくり条例がありその施設整備マニュアルをテキストに具体的な施設や設備について検討したいと思います。」


「賛成です。今回のワークショップを踏まえて、福祉のまちづくりが行政では具体的にどのようになっているのか知る必要があると思います。」


「国土交通省で定めている、交通バリアフリー法についても話し合いましょう。」


「それでは来月の定例部会はまず、福祉のまちづくり条例について話し合いましょう。」


●2002.12.14 第1回 ワークショップ

 「まちのバリアフリーフォトウォッチング」が開催されました!!
 


南口駅入口


12月14日(土)に開催されたワークショップは“フォトウォッチング”のタイトル通り、調布駅と駅周辺の写真を撮りながら現状がどうかを見ておこう! というものでした。今年2月に京王線連続立体交差事業が、地下方式で都市計画決定され、事業認可、着工へと進む重要な時期を迎えているということへの、まちのバリアフリー部会の最初の取り組みといえます。 当日の進行は、調布駅南口広場集合でそのまま【南口広場ウォッチング:公衆トイレ、児童公園、バスターミナル、樹木など】→【駅構内:南口階段及び車いす階段昇降機で改札へ、階段及び車いす階段昇降機で下りホームへ・幅寸法・点字ブロック・喫煙コーナー・売店など、階段及び階段昇降機で北口へ:公衆トイレ・改札口・券売機など】→北口解散でした。

 当日は外でのワークショップの何よりの応援団、お天気に恵まれた中、参加者は7名、京王帝都(株)運輸部旅客課から1名、京王帝都調布駅から5名で行われました。


■ワークショップで出た意見をエリア別にまとめました。


【南口公衆トイレ(身障者用トイレをウォッチ)】

公衆トイレ

1.車いす利用者にとって内鍵の位置が高い(立っている人の使用位置)。また、手や指の力が弱い人にとって、その内鍵の操作は困難。手のひらでも操作できる棒状のようなものの方がよい。
2.トイレ内で寝泊りしている人がいることがある。セキュリティの問題点を検討することが必要。ただし、使用時に鍵を開けてもらわなければならないような、普段は鍵がかかっている状態では困る。
3.手洗い場の鏡は、車いすの人が見やすいようにという配慮から、壁から傾斜して付いているのですが、洋式トイレしか利用できない人など立っている人にとっては見にくい鏡です。傾斜していると車いす利用者にも見にくいくらいなので、車いすでも立っていても見ることのできる鏡にしてほしい。
4.手洗い場の蛇口は、自動で水がでるものとON・OFFで自分で調節できる両方の機能がついたものがよい。
5.身障者用トイレから「誰でもトイレ」へ。ユニバーサルデザインのもと、鍵や手洗い場に限らず、手すり・ペーパー・流しレバー・緊急時ブザーなどの位置やデザインなどにも検討が必要。


【南口ターミナル】

リフト付バス

1.低床ミニバスの停車位置と歩道の寄り付き部は概ねよい。
2.点字ブロックの凹凸が車いす利用者には不快な形状であり材料である。視覚障害者にもあらゆる人にも相応するユニバーサルデザインの点字ブロックがないか。
3.歩道の点字ブロックや樹木などの位置に検討する必要を感じた。
4.地下化に伴い、現在の南口広場の樹木はどうなるか。今の状況と同じにはならない。工事の都合上、植え替えとなる。

【駅階段昇降機】


駅構内階段昇降機

1.海外の先進的事例では、階段昇降機は利用者本人がいつでも自由に自分で利用できるようになっている。日本では未だそのような事例はない。
2.数年前に設置された車いす用階段昇降機は、当時具体的には決まっていませんでしたが、京王線連続立体交差事業までの車いす利用者の暫定対処のものです。自由に利用できない、遅い、故障など、エレベーター設置の必要性を実感している。

【駅ホーム】


階段脇ホーム

1.階段を上りきってホームに出て、売店を利用する場合、階段脇手すりと線路際までのホーム幅が1.5メートル程度。視覚障害のある人や車椅子の利用者にとって狭い。心理的にも怖さを感じる。
2.ラッシュシュ時のことを考えると現況のホームの幅では一般利用にとっても狭いように思う。黄色い線から線路側へ、わずかに傾斜のあるところもあり怖い。

【駅ホーム売店】

ホーム売店

1.売店の売り場の方は、聴覚障害の方には筆記により対応、車椅子利用者には、売店ブースから出て利用者の傍まで近づいて対応しているとのこと。
2.調布駅ホームの売店の形態は旧来のもので、ユニバーサルな形態の売店もある。


【駅構内トイレ】

駅構内トイレ

1.ホームページの構内案内図では、一応、車椅子対応のトイレとして設定されているが、アクセスや利用度の点からも現況は必ずしも使いやすい状況ではない。


【北口改札券売機】


北口券売機

1.車いす利用者が券売機を利用する場合、券売機カウンター下に膝下が深く入りきらないので、手が券売機の操作部に届かない。駅舎建物の現況条件などから現在は改良できないでいる。

 当日はボーナス後の晴れの土曜日からか、また南口ではフリーマーケットもあり、南口・北口・駅構内と、どこも人混みでした。もう少し、南口でいえば、噴水や広場の舗装、道路との段差、ごみ箱など、北口は歩道や道路との段差など、そして大型店舗までのアプローチなどを見て廻る予定でした。
みなさんと“フォトウォッチング”しながら現状と問題点も話しました。新しい駅に向け、京王電鉄の方と細かな点でお話ができる場をもてる約束もでき、また駅が地下になるまでの暫定処置として駅の様子も関心事です。           
                          報告:新井昭子



●2002.11.06 第5回 まちのバリアフリー定例部会
〜ワークショップ開催について話し合いました〜

「今年中にワークショップをやりたいと思いますがどうでしょう。」

「ワークショップの目的は?」

「京王線が立体化になる前の駅及び駅周辺の現状を記録しておきたいのです。」

「理由は?」

「立体化の前のまちの様子と、後の様子を比較することで、バリアフリーのまちづくりだけでなく、広い意味のまちづくりへの関心度が高まるし、まちづくりの明確な手法が確認できるからです。」

「駅舎から観たまちの様子はどうか、つまりバリアフリーという視点も含め、景観などを視点に入れたまちの見え方を記録したい。」

「駅舎や駅周辺での現状において、何がバリアになっているかをきっちりウオッチングしたい。」

「障碍のある人、高齢者、乳母車をひく人、幼児、言葉の通じない外国人など、多様な人たちと一緒にウオッチングしたいですね。」

「ウオッチングをして評価する点や問題点を抽出、整理し、どういう方法によって解決が可能か、解決できないとすれば何が原因なのかまでやってみたい。」

「大切なことは、バリアフリー化やユニバーサルデザインについて皆が関心を持つことです。今回のワークショップがそのきっかけになるだけでも良いと思う。」

「そして、ハードバリア、ソフトバリアを含めて、障碍のある人や高齢者の人だけではない、自分の問題だということを認識することが大切。」

「具体的にどんなワークショップにしましょうか?」

「ワークショップのキャッチフレーズは『まちのバリアフリーフォトウオッチング』ではどうでしょう。」

「ウオッチングする場所は調布駅で、各出入口から観える街並み、改札口・階段・階段昇降機・プラットホーム・トイレ・売店・駅周辺の状況が主なポイントですね。」

「日程は12月14日(土)として、時間や集合場所については後日改めて決めることにします。」

「いろんな人に参加してもらいたいので、広報の方法も検討しましょう。」




●2002.10.02 第4回 まちのバリアフリー定例部会

〜前回に続き調和小学校新校舎施設について話し合いました〜


「私は調和小学校新校舎施設見学会での感想・疑問点について、
担当職員の方に書面にまとめたものを持って、直接お会いして色々
お話をしてきました。後日その回答が参りましたのでご紹介します。」


(1) 電車で行く場合の最寄り駅は? ということで,前日,電話で問い合わせたところ「柴崎駅」でも「つつじケ丘駅」でも大丈夫ですとのことでした。「柴崎駅」から行ったのですが,こちらの駅からですと学校の裏あたりにつくことになり,そこにいた市役所の方の説明で,引き返し通りに出て学校へ行きました。その役所の方は,「つつじケ丘駅」から来られるようにと説明しているのですが,とのことでしたが,前もって問い合わせもしましたし,どうなのでしょうか? 地域外から来る人も多い想定の施設,統一した的確な案内がほしいです。


【回答】実際にどちらの駅からも同じような距離,時間ということで「どちらからでも」とお話させていただきましたが,初めて来られる方には,わかりやすさ,安全性(道が狭いなど)という点では,「つつじケ丘駅」ということで統一していきたいと考えています。また,道順を示すサインなどの設置も考えられますが,通行の障がい,安全性を含めさらに検討していきたいと考えています。


(2) 「つつじケ丘駅」から徒歩で行った場合の小学校手前の横断歩道を渡り歩道へ,その縁石の切り落としがされていないため,車いすで歩道へ上がることができませんでした。 すぐ両脇辺りにもありませんでしたし。点字ブロックは,小学校からその歩道の途中までしか敷かれていませんでした。どうしてなのか,早急のご検討・対策をお願いします。

【回答】予算の関係から,来年度には改修をしたいと考えています。


(3) エレベーターの位置を示す表示板がなかった。トイレ入口などに紛れてあったので捜してしまった。

【回答】わかりやすいように表示板を設置したいと考えています。


(4) プールの身障者更衣室内に着替えのためのベッド,背もたれのある椅子,シャワールームにはシャワーチェアが必要です。シャワーヘッドの高さは,低い場所のフックをもう少し低めにしてほしいです。

【回答】シャワー用の車椅子は準備する予定ですが,それまでの間シャワーチェアーを設置します。シャワーヘッドの位置は変更できますが,ベッド,背もたれの椅子につきましては,スペースの関係で難しい状況です。


(5) 校内教室横(前)にある水飲み場,流しの下に足を入れられ車いすで
利用できる箇所があったならと感じました。

【回答】現時点での改修は難しい状況です。


(6) 誰でもトイレ(車いす対応)の照明,入ると自動でつき,出た後も自動で消えるのですが,その消えるまでの時間が4分程かかり長いように感じました。その間,出入口の使用中ランプもついていますし。どうしてなのでしょうか? ちなみに,スイッチはありませんでした。

【回答】確かに長いと思いますので,調整していきます。


(7) 前日,電話で問い合わせをしたときに,当日の見学会で質問などがあったときは,出入口から校舎内に役所の職員が各所にいるので聞いてくださいとのことでした。校舎内で見かけた,市のネームプレートをつけた男女2人に上記(2)のことを話すことにしました。女性の方はメモを片手に熱心に話を聞いてくださり,わからない点は問いかけもしてくださいました。男性の方は,メモを取ることもなく頷き一つないので,お二人に「役所の方ですよね? どちらの方ですか?」と聞きました。女性の方が「私はこの学校のもので,……こちらが市役所の人です」との返事でした。男性は総務課の方とのことだったので,この見学会を開いている課の人ですから,よろしくお願いしますと念を押すように話しました。最後まで私との話に言葉を挟むこともなく,課に持ち帰ってもらえるだろうかという不安から,その場でネームプレートの名前を声にさせていただき,控えさせていただいています。男性職員は,どうしてあの場にいたのか,わかっていたのでしょうか? 前日の話と違うので疑問が残ります。

【回答】不手際があったことにつきましてお詫びいたします。今後こうした
ことがないように十分な打合せ,注意事項等徹底していきたいと考えます。


(8) 全体的に車いす使用者,視覚障碍者の視点でのチェックが必要に感じ
ました。それは,事業ができる前に事前に市民を交えて,特に障碍のある人
や高齢者の人を交えて計画に参加し,意見が反映できるようにすることが大
切だということです。

【回答】市民が利用する施設につきまして,いろいろな角度から多くの市民の皆さんのご意見を伺う機会を持っていかなければいけないと感じているところでございます。


「以上が感想、疑問点とその回答の内容です。」

「一番大切なポイントは(8)に書かれている内容ではないでしょうか。」

「行政としても、ひろく市民の声を反映させていきたいと思ってはいるようで
すが、反映させるためには具体的にどのようにするのかが掴めませんね。」

「とにかく、市民側から行政に対して、きちんとした意見を言い続けることが
大切ですよね。」

「調和小学校は地域開放型の複合施設なので、まさにユニバーサルデザ
インの考えが必要です。この施設がすべての人にとって少しずつでも利用
しやすい施設になるように、私にできることがあればやっていきたいと思っ
ています。」


●2002.09.04 第3回 まちのバリアフリー定例部会

〜調和小学校新校舎施設について話し合いました〜



「8月29日の見学会に参加した方の感想、意見をお願いします」
「大勢の見学者がいましたが、施設の新しさや様々な諸設備の豪華さなどに関心があったようで、何処に問題があるかといった視点で見学している人は少なかったように思いました。」

「東京都や調布市の福祉のまちづくり条例の基準には一応、満たしているようでした。」

「しかし、条例のマニュアルにあることは最低基準であって、それより大切なことは、施設のバリアフリー計画にあたって、すべての人に使いやすい施設となるように計画することが基本です。この新校舎も当然、専門家が計画にあたったと思いますが、すべての人が使いやすいという視点で計画されていないように思いました。」

「具体的には?」

「水飲み場施設などをみると、車椅子を利用する生徒を全く考慮していないと思います。教育現場で今、障碍のある生徒と障碍のない生徒が一緒に授業を受けることが一般的なのかどうか分かりませんが、ノーマライゼーション社会を目指すのであれば、一緒に授業を受けることが当たり前になるのではないでしょうか。」

「さらに、この施設は学校という用途だけでなく、市民が利用できる地域図書館や温水プール、また、防災貯蓄倉庫、地域コミュニティのための談話室、会議室が併設されていて、まさにユニバーサルデザインが要求される複合施設であるべきですが、あまり計画に反映されていないように思いました。」

「細かいことですが、階段の手摺を握る際、壁がざらざらした仕上げなので、手の甲が壁に擦れたら痛いだろうなと思いました。仕上材の選択についてもそれなりの配慮が必要です。」

「つつじヶ丘駅からのアクセスで重要な問題がありました。小学校手前の横断歩道を渡ると歩道がありますが、その歩道に縁石の切り下げがないのです。つまり車椅子で横断歩道から歩道へ行くことができないのです。また点字ブロックも施設から歩道までは設備されていましたがその先はありません。」

「建物は一応バリアフリーだけれど駅からのアクセスが悪いということですね。 最近まちのバリアフリーを考える場合、アクセシビリティーがいいとかアクセシビリティーが悪いという言い方がありますが、公共建物や不特定多数の人が利用する一般の建物を計画する場合、アクセシビリティーのことを考慮に入れることが大切です。」

「私はバリアフリーという視点で見学して感じたこと、問題だと思うことをレポートにして行政に提言しました。レポートに書いたいくつかの点については行政のほうで改善して頂ける感触を持ちました。
やはり、きちんと問題点があったら指摘、提言していくことが大切だと思います。」


●2002.08.07 第2回 まちのバリアフリー定例部会

〜民間作業所のバリアフリー改修について話し合いました〜


「調布市内にある身体に障碍のある人達で事業をしている民間作業所から、作業所が移転することになったのでバリアフリーの作業所にしたいと相談がありましたので、そのことについて話し合いたいと思います。この作業所では移転場所がアクセシビリティのよい環境になることをきっかけに、新しい事業を展開していきたいという意向もあるそうです。」

「まちのバリアフリーという考えは、道路、交通施設、公園といった外部の都市施設だけでなく個々の建物にも必要。しかし市内の民間作業所の殆どはバリアフリー化にする費用を捻出する余裕がないのが現実。」

「バリアフリーの話と離れるが、福祉行政の在り方が変化している。つまり、今までの措置的手法で福祉サービスを受けるという意識ではなく、福祉サービスを障碍のある人が自ら選択し、社会に自立して参加していくという意識が必要」

「社会に自立して参加するということとバリアフリーを考えることは深く関係があると思う」

「自立的に社会参加できる場として、これからの民間作業所はどうしたらよいか」

「方向性としては経済市場のメカニズムを考慮していくことも大切、例えば社会が或いは、まちの人たちがなにを必要としているのか、民間作業所で事業をしている人の個性が生かせることは本当はもっとあるのではないだろうか等、新しい発想が今こそ必要ではないでしょうか。」

「近隣地域の住民、店舗などと積極的にコミュニティを形成していくことで新しい展開が可能になると思う」

「可能性の話としてはわかるが実際には、なかなか難しい現実がある。障碍のある人自身の意識、住民の意識、社会環境そのもその現状、など問題は山積しています。」

「今回の民間作業所のご相談はもしかしたら、まちのバリアフリー部会の活動とリンクしてある可能性を示すきっかけになるかもしれない。一度、お話をする機会をつくりましょう。」


●2002.07.03 第1回まちのバリアフリー定例部会

〜第1回目は、なぜ、まちのバリアフリーが
必要かを中心に話し合いました〜

 
「そこに住むひとりひとりが主人公(当事者)としての意識をもって、いまの街の現状をみつめ、自分なりの考えを発言し、他の意見をきちんと聞くことを継続することで少しでもみんなが住みよいまちが実現するのではないか。」

「もともと出不精だったが、あるきっかけで外出する機会が増えた。それは、利用駅のアクセスにスロープを設けて欲しいと辛抱強く説得した結果、スロープ設置が実現した。その結果、車椅子利用者や高齢者だけでなく、大方の人がスロープをアクセスとして利用していた。このように、少しだけでもアクセスしやすく改善するだけで大きな効果が得られる実感が得られた。」

「介助者としての経験でいうと、町田市の道路や建物のアクセシビリティが比較的良いように思う。だれでも入り易い建物が街の活性化にもつながっていると思う。」

「メガネは視力矯正のための道具であるが、もうその用途だけではなくファッションとしての道具でもあり、広い意味でユニバーサルデザイングッズだ。まちの在り方もメガネのように、多義的な付加価値をもたらすようになればよい。」


「調布では飛田給の駅を中心としたまちづくりが参考事例としてある。飛田給の住民と行政と電鉄会社との協働によるまちづくり活動の話を伺う機会を設ける。また、実際に駅周辺の見学をしたい。」